今回の裏金問題を告発した上脇博之・神戸学院大学教授は、自民党の総裁選は公選法が適用されず買収し放題であるという構造的な問題を指摘したうえで、「派閥をなくしても、総裁選がある以上は裏金はつくられつづけるのではないか」と指摘している(TBSラジオ『荻上チキ・Session』26日放送)。裏金をつくらせない仕組みをつくるうえでも、官房機密費の問題にもメスを入れなければ、自民党の体質は変わらないはずだ。
さらに、上脇教授は「党や派閥の論理による中途半端な政治改革では、納税者・主権者である国民はたまったものではない」「泥棒に良い刑法がつくれないように、裏金をつくっていた人たちが立法を進めても良いものができるわけがない」と指摘すると同時に、「1994年の政治改革では『政党交付金を導入すればきれいな政治になる』と言っていたのが、裏金をつくっていた。もう税金を泥棒にあげるようなことはやめるべきだ」とも言及している。政党交付金という、わたしたちの税金が裏金議員を抱える自民党に投入され、支えるという仕組み自体を問い直す議論もなされるべきだ。
29日から国会では本格議論がスタートするが、実態解明はもちろんのこと、裏金議員たちにしっかり政治責任をとらせること、そしてあらゆる裏金が生まれないようにする根本的な改革がなされるよう、徹底した監視が必要だ。派閥の解散で禊を済ませるようなことは、絶対に許してはならないだろう。
(編集部)
最終更新:2024.01.29 07:01