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「モーニングショー」や「報ステ」も…台湾有事シミュレーションを垂れ流し、岸田首相の戦争協力約束を賞賛する大政翼賛会ぶり

 この日は解説者としてテレ朝の元中国総局長で政治部デスクの千々岩森生氏が登場。日米首脳会談の成果について、千々岩氏は「今回のポイントは抑止力の強化」とし、こう述べた。

「念頭にあるのは(中国による)台湾の武力統一。本当に中国がやろうとするときに、ちょっと待てよと。日本を敵に回したら大変な犠牲を伴う、ましてや横には世界最大の軍事力を持っているアメリカもいると。じゃあやめよう、一歩留まろうと思わせるのが抑止力。そういう意味では反撃能力の保有も含めて、抑止力が高まるというのは(首脳会談の)成果」

 千々岩氏にかぎらず、メディアは「抑止力」を声高に叫んでいるが、いくら日本が防衛費を増額させて積み上げても、中国の軍備拡張を呼び込むだけで、軍事力で上回ることは不可能。むしろ中国との緊張関係を高めるだけだ。千々岩氏は「日本を敵に回したら大変な犠牲を伴う」と思わせることができると言うが、逆に「日本が敵に回るなら大変な犠牲を払わせよう」と考えるのではないのか。

 しかも、番組では米シンクタンクの「戦略国際問題研究所」(CSIS)が9日に公表した台湾防衛のシミュレーション結果の報告書を紹介。この報告書は2026年に中国が台湾に侵攻すると想定して24通りのシナリオを検証したもので、日本が台湾防衛の「要」であることを強調。基礎シナリオでは、米軍は沖縄・嘉手納基地や山口・岩国基地、東京・横田基地、青森・三沢基地から作戦を展開し、大半のシナリオでは中国の台湾制圧は失敗するものの、日本の自衛隊は戦闘機112機と護衛艦26隻を失い、自衛隊員に大勢の死傷者が出ることが予想されている。

 そして、番組ではこうしたシミュレーション結果を紹介した上で、千々岩氏が「2026年は緊張が高まる年になるのでは」などと指摘し、このシミュレーションが現実化しかねないことを示唆。コメンテーターの石原良純も「中国や北朝鮮、ロシアといった特異な国家が近くにある」「安全保障について語り合わなきゃいけないところにきた」と発言。もはや日本が戦争に巻き込まれるのは必至であり、覚悟を決めなければならないと視聴者に迫るような内容だったのだ。

 このCSISの報告書については、『モーニングショー』のみならず、同じくテレ朝の『報道ステーション』やNHKのニュース番組などでも同様に取り上げられてきたのだが、しかし、この台湾有事を煽る報告書、検証もなく鵜呑みで報じていいようなものなのか。

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