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玉川徹が出演予定の21日に番組から消えた理由は? 一方、菅前首相の弔辞は「銀座の焼き鳥屋」もでっち上げの可能性が浮上

 もちろん、大下氏の書いているように、当時、安倍・菅氏が「銀座の焼き鳥屋」でほんとうに会っていたのに、菅氏がボケて忘れてしまった可能性もゼロではない。

 しかし、いずれにしても、そこで最後の決め手になるような説得がなされたとは考えられない。そこまで重要な会談なら、菅氏もさすがに場所を覚えているということはもちろん、安倍元首相に再出馬を決意させたのは、側近中の側近記者・山口氏が書いているように“票読みによる説得”であり、そんな話を、焼き鳥屋などでするはずがないからだ。

 実際は安倍氏の私邸で「誰が投票してくれるか」という生々しい話をして説得したのが事実なのに、菅氏サイドは「銀座の焼き鳥屋」を出すことで、サラリーマン同士の熱い絆のような庶民風のいい話に仕立てた、つまり「演出」したということではないか。

 ここで思い起こされるのが、問題になった玉川氏の発言だ。玉川氏の発言は、菅氏の弔辞が感動を呼んでいるという状況についてのもので、「これこそが国葬の政治的意図だと思う」と一刀両断した上で、こうコメントしていた。

「僕は演出側の人間として、テレビのディレクターをやってきましたから、それはそういうふうに作りますよ。政治的意図がにおわないように、制作者としては考えますよ、当然。これ、電通が入ってますからね」

 あらためて菅氏の弔辞をめぐる疑惑を知った上で、このコメントを振り返れば、「これ、電通が入ってますからね」という部分以外は、すべて正しい指摘だったと言ってもいいのではないか。

 にもかかわらず、テレビ朝日は玉川氏を謹慎10日間という処分にして、菅前首相に直接、謝罪をさせたのだ。そして、その後もスタジオに出演させずに、「取材」というかたちで、露出をどんどん押さえ込もうとしている。

 テレビ朝日といえば、傘下の「ABEMA」が悪質な沖縄差別デマを扇動するような報道をし批判されているが、こちらは何の対処もせずに放置している。それと比較すると、玉川氏に対する対応がいかに過剰で、異常かがわかるだろう。

 その背景には、もちろん、早河洋会長や篠塚浩社長と自民党政権の癒着、自民党幹部への忖度がある。

「テレビ朝日が特に弱いのが、菅前首相、世耕(弘成)参院幹事長、萩生田政調会長の3人。いずれも、過去に抗議をされて全面屈服したという経緯がある。また、どの問題でも篠塚社長がかかわっており、いまもパイプがあるため、少しでも批判的な報道をすると、上から圧力がかかってくる」(テレビ朝日関係者)

 統一教会報道でも明らかなように、テレビ朝日はいまや、民放ではフジテレビと肩を並べる政権御用放送局と化している。そして、最後の砦であった玉川氏がこういう状況になったことで、その傾向がさらに加速していくのは間違いないだろう。

最終更新:2022.10.24 09:55

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