小説、マンガ、ビジネス、週刊誌…本と雑誌のニュース/リテラ

玉川徹が出演予定の21日に番組から消えた理由は? 一方、菅前首相の弔辞は「銀座の焼き鳥屋」もでっち上げの可能性が浮上

 実際、菅氏が安倍氏に最後に出馬を説得したのは「別の場所」だったというリアルな証言もある。

 それは、ほかでもない安倍政権の腰巾着ジャーナリスト・山口敬之氏の証言だ。山口氏といえば、TBS政治部記者時代から、安倍・菅両氏とのべったりな関係は有名で、安倍氏が自民党総裁選に再出馬する際も、現役記者でありながら、安倍・菅両氏の間で伝書鳩の役割まで果たしていた。

 山口氏は著書である『総理』(幻冬舎)で、その経緯を自慢げに書き綴っている。

 当時、安倍氏は総裁選出馬か不出馬かかなり揺れていた。自民党総裁選を翌月に控えた2012年8月中旬の休日の夕方、山口氏は安倍氏と代々木のレストランで会食するのだが、そこで、安倍氏から「出馬見送り」の意向を聞かされる。山口氏の著書では、その後の菅氏の動きがこう書かれている。

〈安倍と別れてすぐ、私は菅に電話を掛けた。
「今日の様子だと、安倍さんはやっぱり出ないと思いますよ」
「え、やっぱり? 今日会ったの? 何て言っていた?」
 私は正直に伝えた。菅は珍しく電話の先で数秒黙り込んだ。
「……これから行ってくるわ」
 電話を切ってすぐ菅が向かったのが、東京・富ヶ谷の安倍私邸だった。背広の内ポケットには議員要覧を携えていた。全国会議員の顔写真入りのリストをまとめた小冊子である。
「このグループは、石原支持ですが、決選投票になればこちらに来ます」
「この議員は実は、初回投票から決選投票まで一貫して安倍さんに投票してくれます」
 菅は、出馬を躊躇する安倍を言葉で説得するのではなく、総裁選の票読みをして見せたのである。〉

〈しばらく黙り込んだ安倍が、ついに口を開いた。
「やってみる価値はあるね」
 これ以降、安倍が不出馬方向にぶれることはなかった。〉

 つまり、山口氏の『総理』によれば、出馬の決意をさせた説得の場は「安倍氏の富ヶ谷の私邸」、しかも、情緒的な説得などではなく、生々しい“票読み”だったのである。

 改めて言うが、この証言をしているのはただの政治記者ではない。安倍元首相の官邸執務室でのオフショットを自著の表紙に使うことを許され、自らが起こした性暴行事件の揉み消しやTBSを辞めた後の再就職を当時の官房長官である菅氏に依頼したとされる、まさに安倍・菅両氏の側近中の側近だった癒着記者なのだ。しかも、当時、菅氏による安倍氏説得そのものに全面協力していた人物だ。

 そんな人物が著書で明かした裏話にはっきりと書いているのだから、「私邸での説得」が真相と考えていいだろう。

 実際、安倍氏は、2012年の早い段階から総裁選の再出馬に色気を見せており、あとは「勝てそうかどうか」の判断で迷っていただけだ。そういう意味では、具体的な票読みで勝算を示し、説得したという山口氏の記述は筋が通っているし、そんな生々しい話は、自宅かホテルの一室などでするのが普通だ。少なくとも、銀座の焼き鳥屋でするような話ではないだろう。

関連記事

編集部おすすめ

話題の記事

人気記事ランキング

話題のキーワード

リテラをフォローする

フォローすると、タイムラインで
リテラの最新記事が確認できます。