まず、萩生田氏が参院選で初当選した生稲晃子氏とともに参院選公示直前の6月に八王子の統一教会施設を訪問していたと「デイリー新潮」が報じたのは8月16日。18日には記者のぶら下がり取材に応じたが、その後も『情報ライブ ミヤネ屋』(読売テレビ)をはじめ、『報道特集』(TBS)などは萩生田氏が統一教会の施設で「一緒に日本を神様の国にしましょう」などと講演していたことを追報。ところが、8月下旬に向かってどんどんと萩生田ネタが取り上げられる機会は減っていった。
言っておくが、萩生田氏にかんする報道が減ったのは“タマ切れ”が原因ではない。実際、8月24日には『news23』(TBS)が15年ほど前に萩生田氏が統一教会系の弁論大会で挨拶をおこなっていたと報道。29日には東京スポーツが萩生田氏が教団イベントで“四つん這い”になる礼拝をおこなっていたという証言を紹介している。また、「週刊新潮」9月1日号でも、萩生田氏がいまも統一教会の幹部とFacebookを通じて“友達”の関係にあるとジャーナリストの鈴木エイト氏が指摘。つまり、萩生田氏と統一教会のズブズブっぷりを示す情報はまだまだ出てくる状態にあるのだ。
ネタはあるのに、なぜか報道されなくなっている萩生田政調会長の問題。──こうして考えると、有田氏や望月記者が指摘しているように、萩生田氏からの圧力が影響していると見るのが自然だろう。
だが、これはいまにはじまった話ではない。本サイトでは当初から、テレビをはじめとするメディアにおいて萩生田氏への追及が甘いことを指摘してきた。
たとえば7月下旬には、統一教会との接点が発覚した当時の末松信介文科相や山口壮環境相などの釈明や、福田達夫総務会長による「何が問題かわからない」発言に対し、テレビではかなり踏み込んだ批判がおこなわれたが、その一方で、はるかに深い関係が明らかになった萩生田氏にかんしては、さらりと事実関係が紹介されるだけ。ほとんど批判らしい批判はおこなわれなかった。
さらに、内閣改造および自民党人事が発表された際も、統一教会と接点があるにもかかわらず引き立てられた閣僚などに対する批判が撒き起こったが、当時からズブズブの関係にあることが明らかだった萩生田氏が政調会長に就任したことについては、なぜかあまり厳しく批判されず、それどころか「俺は骨格じゃないのか」発言をヨイショするメディアまで出てくる始末だった。