いずれにしても、ここまでズブズブの関係が明らかになったわけだから、岸田自民党は人事の見直し、そして徹底調査をおこなうべきなのは言うまでもない。
ところが、岸田文雄首相はどこ吹く風。人事の見直しはおろか、統一教会と閣僚ら政務三役の関係について、「個人の政治活動に関するもので、調査を行う必要はない」とする答弁書を閣議決定までしてみせた。
しかも、内閣改造で消費者担当大臣となった河野太郎氏が「霊感商法対策検討会」を立ち上げることを明言したり、葉梨康弘法相が悪質商法の相談や被害者救済について取り組む「旧統一教会問題関係省庁連絡会議」を設置すると発表するなどしているが、これらはたんに「やってる感」を演出しているだけだ。
実際、「霊感商法対策検討会」について、河野消費者担当相は“まずは2018年以降の霊感商法「一般」について議論する”などと発言し、統一教会という個別の団体を意図したものではないと強調。さらに「旧統一教会問題関係省庁連絡会議」を主宰する葉梨法相にいたっては、いまごろになって統一教会系メディアの月刊誌「ビューポイント」にインタビュー記事が掲載されたと公表。元警察官僚であるにもかかわらず、葉梨法相は「世界日報……ダイジェスト版世界日報の月刊『ビューポイント』という雑誌があるらしくて」などとすっとぼけ、統一教会との関係性を認識していなかったと主張してみせたが、このような人物が被害者救済の中心に立つというのだから、呆れてものが言えない。
被害者救済を打ち出すことで、統一教会との関係や政界工作の全容解明から国民の目を欺こうと必死の岸田政権。膿が溜まりきった「壺内閣」と「壺自民党」の逃げ切りを許さないためにも、徹底追及と人事見直しを求める声を高めていくしかないだろう。
(編集部)
最終更新:2022.08.16 10:11