首相官邸HPより
岸田文雄首相が「統一教会隠し」のために前倒しした内閣改造に、批判が集まっている。内閣改造では統一教会との関係を認めた前閣僚7人を交代させたものの、少なくとも7人の閣僚に関係があったことが判明。さらに、12日の臨時閣議で決定した副大臣・政務官の人事でも、計54人中、少なくとも20人が統一教会との接点を本人や事務所が認めたのだ。無論、すべて自民党所属議員だ。
「統一教会隠し」どころか、もはやその実態は「壺内閣」──。しかも、13日付の西日本新聞などに掲載された共同電によると、内閣改造がおこなわれた10日、入閣者には「就任記者会見冒頭発言メモ」なる応答要領が送られ、そこには〈教団との関係が分かった場合に「当該団体について認識を欠き、申し訳なく存じます」「今後は一切関係を持たないとお約束したい」とする例文が記載されていた〉という。ようするに、“非・統一教会系”議員での内閣改造が不可能なほどに汚染は広がりきっているのだ。
いや、さらに火に油を注いだのは、副大臣・政務官人事だ。前述したように新副大臣・政務官の半数近くが統一教会との接点を持っていたことはもちろん、なんと、あの杉田水脈・衆院議員を総務政務官に抜擢してみせたからだ。
ご存知のとおり、杉田氏といえば、「新潮45」(新潮社/2018年8月号、その後休刊)で「LGBTは生産性がない」などとする差別論文を寄稿した問題をはじめ、国会で「男女平等は絶対に実現しえない反道徳の妄想」と発言するなど、性的マイノリティに対する差別やフェミニズムバッシングを剥き出しにしてきた人物。また、女性への性暴力について「女性はいくらでも嘘をつけますから」と暴言を吐いたり、元TBS記者・山口敬之氏からの性暴力を告発した伊藤詩織氏に対し「彼女の場合はあきらかに女としても落ち度がある」などと二次加害発言もしてきた。
女性や性的マイノリティを貶め、差別を助長する発言を連発してきた杉田氏が、これまで何ら処分も受けずに国会議員をつづけていること自体が異常なのだが、挙げ句、政務官にまで抜擢するとは──。
しかも、杉田氏のこうした差別的な言動は、統一教会をはじめとする宗教右派と共通するものであり、さらには実際に、統一教会との接点がこれまで数々指摘されてきた。