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安倍元首相「桜前夜祭」へのサントリー酒無償提供は酒税見直し先延ばしの見返り疑惑! しかしNHKはじめメディアは疑惑を追及せず

 そして、こうしたメディアの報道姿勢のなかでもっとも露骨だったのが、NHKだ。NHKはスポンサーのしがらみがないにもかかわらず、前夜祭へのサントリーによる酒の無償提供問題を無視。昨日3日放送の『ニュース7』および『ニュースウオッチ9』でようやく国会での山添議員が追及した場面と岸田首相の答弁を取り上げたが、その時間はわずか40秒。しかも、あくまで参院予算委員会集中審議での各党の質問のひとつとして扱っただけで、中身はこのようなものだった。

 ナレーション「共産党は「桜を見る会」の前日夜に開催された懇親会をめぐって──」
山添議員「サントリーは『この前夜祭の開催は安倍事務所から教えていただきました。弊社製品製品を知っていただくいい機会だと考え、この会に協賛させていただきました』(と回答している)。安倍元総理大臣に説明し直してもらう必要がある」
岸田首相「関係者がこれを説明する、これが基本だと思います。個別の案件について私の立場から申し上げることは控えます」「いずれにせよ、少なくとも私の内閣においては『桜を見る会』を開催することは考えておりません」

 なんと、たったのこれだけ。つまり、サントリーが前夜祭に4年間にわたって数百本にいものぼる酒を無償で提供していたという大前提の事実はもちろん、サントリーによる無償提供が違法な企業献金にあたる可能性があることも伝えなかったのだ。当然ながら、安倍首相の秘書が前夜祭で参加者の費用を補填することが公選法違反にあたる恐れがあることを認識した上で酒をホテルに持ち込むことにより補填額を抑えようとしていた事実も、酒の寄附が政治資金収支報告書に記載がないことも伝えてはいない。

 ともかく、問題点が何ひとつ視聴者に伝わるものではなく、これで前夜祭問題を取り上げたとは言えるわけがない。ようするに、いまだにNHKはこの問題をスルーしているというわけだ。

 いや、それは他のメディアも同じだ。そもそも、赤旗日曜版による最初のスクープは、他社も手に入れているはずの刑事確定記録からサントリーの関与を突き止めた調査報道だった。そうしたスクープを見逃してきただけではなく、ストレートニュースでお茶を濁し、挙げ句、この問題が発覚して以降も安倍氏の説明を求めることもなく、安倍派の会合で安倍氏が防衛費増額を政府に注文したことなどを何事もなかったように取り上げてきたのだ。

 メディアがこの体たらくでは、またも安倍氏の疑惑は有耶無耶となり、責任もとらないまま増長を許すことになるだろう。安倍氏が首相を辞めても、問題となったメディアの忖度は何も変わってはいないのだ。

最終更新:2022.06.11 10:29

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