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ロシアの侵略を「真珠湾攻撃」にたとえたゼレンスキー大統領を非難する日本のネトウヨの言い分がプーチンとそっくり!

 そういう意味では、民主主義や基本的人権、法の支配といった現在の国際秩序の原則を踏みにじったロシアのウクライナ侵略を論じる際に、同じような無法な侵略国家だった大日本帝国やナチスドイツの行為が持ち出されるのは、当たり前の話なのだ。

 むしろ、日本の右派は、いまのロシアがやっていることを見て、自分たちの「先の戦争は侵略ではない」「正しい戦争だった」という主張がいかにナンセンスであるかを自覚すべきなのである。

 ところが、日本のネトウヨや歴史修正主義者たちは、日本だけがあたかも一切民間人を狙ったり傷つけていないように歴史を捻じ曲げて、ゼレンスキー大統領を攻撃しているのだから、開いた口が塞がらない。

 いや、それどころか、例の「日本は戦争に追い込まれた被害者」論まで持ち出すネトウヨたちも多数いた。
 
〈真珠湾攻撃したのは確かだけど、アメリカに石油とかの輸入止められて黙ってられる日本でもなかったでしょう 引き合いに出すのはおかしいな〉
〈はぁ?なぜか... ウクライナから流れ弾が飛んできたが... 真珠湾攻撃と今回のロシアによる ウクライナ侵攻は全く違う。 日本は当時、アメリカに石油と鉄を止められ追い込まれたから...ロシアの事情とは全く違います。〉
〈真珠湾攻撃なった経緯は日本への石油だの経済封鎖が引金だけどな〉
〈石油を止められ、国民が飢えるのを防ぐための自衛戦争。 相手の作戦にまんまと載せられた。(真珠湾攻撃情報はつかんでいた) 当時の上層部は、世界で初めて、人種差別撤廃と言う考えをもって、植民地諸国に対しても、占領搾取されてきた近隣アジア諸国に対しても、解放する、という信念があった。〉

 言っておくが、日本が経済封鎖をされたのは、中国などアジア諸国を侵略したからだ。だいたい経済封鎖、経済制裁が真珠湾攻撃を正当化する理由になると言うなら、いま世界各国から経済制裁を受けているロシアが、アメリカやヨーロッパ各国、日本に報復攻撃してくることも正当だということになってしまう。

 それを「ABCD包囲網のせい」とか「経済封鎖されたから」とか「アジア諸国を解放するため」とか言うのは、それこそ、「NATOが拡大しているから」「ロシアの安全保障のため」「ウクライナを解放するため」とウクライナ侵略を正当化するプーチンの論理とまったく同じではないか。

 しかし、考えてみればそれも当然なのかもしれない。もともと日本の極右・ネトウヨの間では、その侵略・強権主義への親和性に加え、連中が崇拝する安倍晋三・元首相の影響で、プーチン大統領の人気が高かった。ウクライナ侵攻の動きが起きても、右派からはほとんどプーチン批判は聞かれなかった。

 プーチンが実際に侵略を強行し、世界中でロシア批判とウクライナ支援の声が上がったために、極右・ネトウヨ連中も遅ればせながら「ウクライナ頑張れ」などと叫び始めたが、本音は自分たちの幼稚な愛国ナショナリズムや帝国主義への思慕を仮託しているだけ。あるいは、ウクライナ危機に乗じて、政治的野望である日本の軍国主義化を進めたいだけ。

 そういう意味では、日本のネトウヨ・右派は以前もいまもかわらず、ウクライナ国民の側でなく、ウクライナ国民が抵抗し、闘っている相手である「プーチンの側」に立っているのだ。

 今回のゼレンスキー発言をめぐる異常な反応によって、そのことがはっきりしたといえるだろう。

最終更新:2022.03.18 03:16

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