これまでも在阪テレビ局は吉村知事のコロナ失策に対する批判をほとんど展開せず、それどころか揃いも揃って吉村知事を出演させては「さすが吉村さん!」「吉村知事はよくやっている」などというイメージを醸成してきた。その結果、どれだけコロナ対策で失敗しても支持率が下がらないと吉村知事は高をくくり、またも全国最悪の状況に陥らせている。
しかも、この『あさパラS』を制作・放送しているのは、吉村応援団と化している在阪メディアのなかでも急先鋒である読売テレビ。読売テレビは昨年末、大阪府と「包括連携協定」を結んだ読売新聞の系列であり、今年の元旦に吉村知事が松井一郎・大阪市長や橋下徹の3人で出演した毎日放送の番組が1月下旬に問題になった以降も、『情報ライブ ミヤネ屋』や『ウェークアップ』、『かんさい情報ネットten』などの数々の番組に吉村知事を出演させてきた。ようするに、吉村知事と協力関係にあると言っても過言ではない関係だ。
この最悪な状況のなかでもまったく反省をせず、吉村知事の失政をバラエティのノリでごまかすことに手を貸す共犯メディア──。今回の『あさパラS』で、大阪における東京を凌ぐ圧倒的な感染者の多さの理由について、吉村知事は「専門家すらわからない」などと述べていたが、その答えは、こんな番組が垂れ流されていることによって事態の深刻さがお茶の間にまったく届かないだけではなく、問題の根底にある維新政治を問い直すことを放棄させているからだとしか思えないだろう。
(編集部)
最終更新:2022.02.22 11:41