しかし、玉木代表は最近、ずっとこの調子で、衆院選後には百田尚樹氏に接近しようとしたり、はたまたネトウヨデマの発信源となっている加藤清隆氏がMCを務めるなどしている「文化人放送局」に出演して高橋洋一氏と対談するなど、節操もへったくれもなくネトウヨに媚を売りまくっている。しかも、ネトウヨ界隈では内ゲバが頻発していることをよくわかっていないのか、玉木氏が全方位にいい顔をしようとした結果、百田氏の怒りを買うというダサいにも程があるみっともない有様になっているのだ。
いや、玉木氏はたんにネトウヨに媚を売っているだけではなく、自身もネトウヨめいた発言をおこなっている。たとえば、東京都武蔵野市が提出していた外国籍の住民にも住民投票の参加を認める条例案が否決された際には、「こういうことが(外国人に対する)地方参政権の容認につながっていく。否決されて安心したというのが率直な思いだ」「憲法に外国人の権利をどうするのかという基本原則が定められておらず、ここが一番の問題」などと発言。極右と見紛う排外主義と人権意識のなさをあらわにした。
さらに、玉木代表は維新とも距離を縮めているが、昨年末の臨時国会でおこなわれた衆院憲法審査会では、維新や自民といった改憲勢力と軌を一にし、「緊急時に任期の特例を定める議論は速やかにおこなう必要がある。感染が抑えられているいまだからこそ、国家統治の基本的な在り方を静かな環境で議論していきたい」などと緊急事態条項の創設に同調。玉木代表は衆院選直後に「憲法審査会では維新と国民民主党は緊急事態条項の創設を強く主張してきた」とするTwitterユーザーの投稿に対し、わざわざ〈緊急事態条項はそうでもないですよ〉と返信していたにもかかわらず、だ。
そもそも、玉木代表が失敗の反省もなくまたも頼りにしようとしている小池百合子も、関東大震災時の朝鮮人虐殺の史実否認でも明らかなように、極右、ヘイト肯定の歴史修正主義者であり、弱肉強食の新自由主義者にすぎない。しかも、希望の党への民進党合流騒ぎの際、小池氏は公認申請者に安保法制の容認といった「踏み絵」となる政策協定への署名を要求したが、玉木氏は安保法案を「戦争法案」と呼んで反対していたにもかかわらず踏み絵を踏んだ。もし、あの踏み絵を踏んだことを安保法制に反対してきた市民に対する裏切りだったと心苦しさを抱えているのならば、都民ファーストと合流するなどという行動には出ないだろう。
失敗を失敗と認識もできず、またも自身の保身のためには野党の弱体化も厭わず自民の補完勢力に回ろうという玉木代表。「野党共闘の崩壊」というより、むしろ市民の裏切り者がはっきりとして清々した、と言うべきだろう。
(編集部)
最終更新:2022.01.15 02:10