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文春「口利き100万円」報道の裁判で片山さつきが敗訴!「係争中」を盾に説明逃れをしてきた片山議員は判決が出ても「連絡つかず」

 じつは「週刊文春」は2016年からこの問題の情報を掴んで取材をしていたというのだが、100万円が支払われたという裏付けがとれず断念。だが、再取材によって物証となる文書と、当事者であるX氏の証言を得た上で記事にした。つまり、満を持してのスクープであり、相当確度が高いものだったのだ。

 ところが、「週刊文春」のスクープに対し、片山氏は告発内容を完全否定したうえ、名誉を傷つけられたとして発行元の文藝春秋を提訴。さらに係争中を理由に、メディア取材や国会で口利き疑惑に関するきちんとして説明をしようとさえしていなかった。

 しかも、「週刊文春」が今度は2016年にX氏との電話で片山氏が「(南村氏は)私にそんなものは実費だって言ってましたけどね。私はちょっと金額としてお高いんじゃないですかということだけは(南村氏に)言いましたから、当時、はい」と語っている音声データを公開。これは100万円という金額設定について自身の関与を明言する内容だが、ところが片山氏は「自分の声か判断できない」と国会で答弁したのである。

 無論、「週刊文春」が黙っているはずもなく、すぐさま民間の研究所に声紋鑑定を依頼。国会で答弁する片山氏の声と同一人物であるかを鑑定し、片山氏と“一致”するとの分析結果を公表した。

 さらに、同年11月29日号では、X氏から片山氏への口利き依頼を仲介し、“依頼の現場”を直接目撃したという片山氏の元後援会役員Y氏が、その面会の様子を赤裸々に告発。その上、最初のスクープから約5カ月後には、問題当時に片山氏の公設秘書を務めていた磯脇賢二氏までもが「X氏やY氏が議員会館に来た日のことは、私もその場にいたので覚えています。事情を聞いた片山氏が『南村に直ぐ連絡して!(こっちに100万円を)振り込ませなさい』と怒り始めたため、私が南村氏に連絡したのですが、あいにく繋がりませんでした。私は彼女の口から100万円という数字を聞いて『随分高いな』と思ったことを覚えています」などと証言したのだ。

 口利きを依頼したX氏の告発のみならず、第三者である元後援会役員Y氏、当時の公設秘書による裏付け証言、着手金の入金を求める文書、さらに片山氏の音声データ──。ようするに、片山氏の「口利き疑惑」の真実相当性は非常に説得力があるもので、東京地裁が今回「口利きしたことを真実と信じる相当の理由がある」としたのも当然だった。逆にいえば片山氏が「事実無根」などといって文藝春秋を名誉毀損で訴えたこと自体が無理筋だったと言ってもいい。

 にもかかわらず、片山氏は「係争中」であることを盾にして説明責任から逃れ続けてきたのである。

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