「すでに大臣の失格なし」の新閣僚といえば、国家公安委員長に選ばれた二之湯智(参/京都選挙区)も同様。二之湯氏はすでに来年の参院選への不出馬および引退する意向を示しており、「思い出づくりの初入閣」と揶揄されているが、本人のカネの問題もさることながら、よりにもよって警察行政のトップに据えるとは、はっきり言って滅茶苦茶だ。
というのも、二之湯氏の公設第2秘書を務めていた男性が2010年、京都市内の不動産会社社長宅に宅配業者を装って押し入り、社長の妻に刃物を突きつけて軽傷を負わせた上、金庫の現金1億円を奪った強盗致傷容疑で逮捕。今年3月、懲役13年の実刑判決が言い渡されたのだ(その後、大阪高裁に控訴)。
この公設秘書はその後も各地で強盗を繰り返していたとされているが、1億円強盗の際は現役の二之湯氏の公設秘書であり、さらに二之湯氏は「いい秘書がいる」と紹介して他の自民議員に推薦していたという。逮捕時に二之湯氏は「初めはまじめにやっていたが祇園で遊びを覚えてしまった。注意しても聞く耳をもたなかった」と述べていたが、自民府連内でも〈「毎晩遊ぶ金はどこから出ているのか」といぶかる声も上がっていた〉(朝日新聞2018年11月10日付)といい、二之湯氏に監督責任があるのは当然だ。
また、二之湯氏自身も、2010年〜2014年の政治資金収支報告書に計1070万円を超える「出処不明金」があるとし、2016年に市民団体「政治資金オンブズマン」が京都地方検察庁に告発。「落選対象議員」だと批判されていた。秘書の監督責任はもちろん、政治資金の不透明さも問題ありと言わざるを得ないだろう。
きたる総選挙で「落選させるべき」大臣といえば、復興・沖縄北方担当相となった西銘恒三郎(衆/沖縄4区)は外せない。西銘氏は2012年の衆院選で普天間基地について「県外移転」を公約に掲げながら、当選後には一転して辺野古への新基地建設を容認。この有権者の裏切り行為も酷いが、もっと下劣なのは、西銘氏がこの年、辺野古関連工事の受注業者から計220万円もの献金を受け取っていたことだ。
しかも、献金を受け取っていたのは2012年だけではなく、辺野古関連工事の受注業者から2014年の衆院選公示直前に計40万円、2017年の衆院選期間中にも20万円の献金を受けていた。これは国会議員の選挙に関して国と契約した業者による寄付を禁止した公選法199条に抵触する可能性のある行為だが、問題が指摘されるたびに西銘氏の事務所は「返金する」「返金した」と繰り返してきた。つまり、有権者を裏切った上にカネの問題をまったく反省していないのである。