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駐オーストラリア大使が旧日本軍が爆撃した場所で「旭日旗が見られて喜ばしい」とツイート、豪でも批判が殺到! 外交官までネトウヨ化?

 また動画では、さらっと「スポーツイベントでも選手を応援するのに使われます」などと説明しているが、実際は、旭日旗を応援に使うことが大きな問題になり、国際的なスポーツ連盟で禁じられているケースもあるのだ。2017年には、サッカーのアジア・チャンピオンズリーグの試合で、サッカーJ1・川崎フロンターレのサポーターが、韓国の水原三星ブルーウィングス戦で旭日旗を掲げた。アジア・サッカー連盟は、旭日旗を掲げる行為は人種や政治的な心情による差別を禁じる規定に違反するとして、川崎に執行猶予付き無観客試合や罰金などを命じた。川崎は異議申し立てをしたが、スポーツ仲裁裁判所には提訴せず、処分が確定している。

 にもかかわらず、今年おこなわれた東京五輪でも、組織委は旭日旗の持ち込みを認める判断を示していた。コロナの影響で無観客になったため、実際に旭日旗が持ち込まれることはなかったが、もしオリンピックという世界平和を掲げる国際イベントの場で旭日旗がはためくという事態が起きていれば、国際社会から大きな批判を浴びたことだろう。

 外務省の説明では、旭日のデザインが日本の古来でも使用されていたことや、北マケドニアなどでも使用されていることを持ち出しているが、だから何だというのか。問題は「旭日」=朝の太陽の“デザイン性”にあるのではなく、「旭日旗」=帝国軍旗・戦艦旗という“史実”にある。いまでも海自が使っている日本の「旭日旗」が、まさしく大日本帝国のミリタリズムを継承したものである以上、韓国など日本が植民地化したり侵略したアジア・太平洋諸国が嫌悪するのは当たり前の話だ。

 そういう意味では、外務省がつくったこの動画は国際社会から見たら、まさに歴史修正主義のフェイクそのものと言っていい。

もっとも、外務省は、安倍政権時代から、極右政治家たちの圧力を受けて、こうした動画のように、歴史修正主義の広報をするポーズはとるようになったものの、自ら国際社会に軋轢を生むような行動まではしていなかった。

 そういう意味では、旧日本軍侵略攻撃の被害にあった場所で「旭日旗の意味をご存知ですか?」などとドヤ顔で世界に拡散した山上・駐オーストラリア大使の行動はやはり異常というほかはない。

 旭日旗や歴史修正主義が国際社会でどのような目で見られているか、ダーウィンがどういう場所なのか、外交官でありながら、山上大使は認識していなかったのだろうか。あるいは、ネトウヨよろしく「旭日旗否定は中国と韓国の言いがかり」と思い込んでいるのか。

 山上大使はオーストラリア大使就任前は外務省・経済局長を務めており、2019年当時、ホワイト国除外などの嫌韓政策において中心的な役割を担っていた。今回の旭日旗礼賛ツイートと合わせて考えると、もともとネトウヨ思想の持ち主なのかもしれない。厚労官僚が韓国の空港で暴行をはたらき「韓国人は嫌いだ」と叫ぶなど大暴れした事件をはじめ、安倍政権下で官僚・公務員たちのあいだでもネトウヨ思想がはびこっていることを示す事件が度々あったが、外交を担う外務省にまで浸透しているとは……。

 しかし、外務省までがこうしたネトウヨレベルの歴史修正主義、歪んだナショリズムを前面に出すことは、国益という意味でもマイナスの結果しか生まない。現在、日本政府は軍事力を増強する中国への警戒感を強調し、日本、アメリカ、インド、オーストラリアの4カ国からなるクワッドという枠組みで対抗する、としているが、今回の山上大使のツイートは、それこそそのクワッドの一角であるオーストラリアに日本嫌悪をも呼び起こし、クワッドの連携を危うくする可能性すらある。

 外交官までがネトウヨ化する日本。一体この国はどうなってしまうのだろうか。

最終更新:2021.09.27 01:07

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