こうした無責任な対応を見ていると、結局、日本政府は現地人のスタッフや日本の民間人なんて、どうなってもいいと考えているとしか思えない。
実際、オペレーションのお粗末さ以前に、日本の方針は人道や人権の観点から見てもありえないものだった。というのも共同通信によると、日本政府は民間NPOの現地スタッフも移送対象としたが、本人だけで家族の帯同を認めなかったというのだ。家族を置いていかなければならないとなったら、退避したくても退避できないだろう。
しかも、こうしたアフガニスタン人や民間の日本人置き去りの一方で、日本人の大使館員は17日の時点で、一足先に退避してしまっていた。カブールが陥落した15日、岡田隆アフガニスタン大使はすでにアフガニスタン国内にはおらず、日本人の駐アフガニスタン大使館員12人も17日に全員、英軍機で出国した。
これも、韓国との大きな違いだ。韓国の場合も、韓国人の駐アフガニスタン大使館員らは17日に一旦国外に退避している。しかし、このとき、韓国人の民間人全員をまず退避させており、自分たちは最後に退避。しかも、キム・イルウン参事官ら4人の韓国人外交官は22日に、アフガン人の脱出を支援するため、再びカブールに戻っている。
「Wow Korea」によると、 キム参事官は「アフガン人たちを韓国に移送しようとすれば、カブールに戻るしかなかった」と語ったというが、現地職員との連絡やバスの早期手配、タリバンとの交渉などは、彼らが現地に戻ったからこそ、できたのである。
一方、日本はどうか。日本の大使や外交官らはアフガン人スタッフや日本の民間人の退避支援を早々と放り出して、自分たちだけが逃げてしまったのである。これでは、いくら自衛隊機を投入したところで、スムーズな退避なんてできるはずがない。