実際、日本の極右と韓国の右派勢力・旧政権グループがつながっているケースはこれだけではない。
『PD手帳』では、西岡氏の歴史修正主義本『でっちあげの徴用工問題』の韓国語版翻訳者ら2人を国基研が表彰、菅首相や萩生田文科相が祝辞を寄せていたことは番組でも紹介されていたが、1人は韓国で出版された日本擁護の歴史修正主義本『反日種族主義』の著者の1人でもある。この『反日種族主義』も日韓右派の連携によって生まれた【https://lite-ra.com/2019/11/post-5103.html】。
また、テレビが日韓問題を扱う際、韓国通のコメンテーターとしてしょっちゅう登場する元・駐韓大使の武藤正敏氏も、韓国の朴槿恵前大統領の周辺とつながっているといわれるひとりだ。
今回の『PD手帳』の報道は、ある意味、日韓右派のこうした構造的癒着に光を当てたものといっていいだろう。
しかし、残念ながら、この問題が話題になったのはネットの一部だけ。マスコミは一切触れていないし、逆に、嫌韓や文在寅攻撃の報道ばかりがあふれている。
だが、日本のメディアがしたり顔で解説している文在寅政権攻撃には、韓国の民主化運動を弾圧した朴正煕軍事政権を源流とする右派勢力発の恣意的な情報が数多く含まれていることを忘れてはならない。日本の嫌韓報道は、日本国民の韓国への差別感情と敵対感情を煽っているだけではない。韓国の民主主義を後退させる行為にも加担しているのである。
(編集部)
最終更新:2021.08.23 11:01