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夫婦別姓を認めない最高裁判決の裏に政治への忖度が…夫婦別姓もLGBT法案も安倍晋三がツブした! 

 しかし、本サイトでも指摘したように、実際には幹部に選ばれた男性議員のほとんどが選択的夫婦別姓に「中立」どころか「反対」の立場だった(詳しくは既報参照)。案の定、このワーキングチームの議論では制度導入の是非には踏み込むことはなく、下村政調会長は6月16日の記者会見で「本格的な議論は衆院選が終わってからしたい」と先送りを表明した。

 この政権与党である自民党の姿勢を見れば、とてもじゃないが選択的夫婦別姓制度の導入など期待できようもない。

 そして、このように自民党の議論を硬直化させている元凶こそ、安倍晋三・前首相の存在だ。

 安倍前首相といえば、下野時代には「夫婦別姓は家族の解体を意味します」「左翼的かつ共産主義のドグマ(教義)」(「WiLL」2010年7月号/ワック)などと語ってきた夫婦別姓反対派の急先鋒。首相に返り咲いてからは過激な反対論を唱えることはなかったが、2019年の参院選でおこなわれた日本記者クラブの党首討論会では、質問に挙手で回答するコーナーで、選択的夫婦別姓制度導入の賛否を問われた際、安倍首相だけが手を挙げなかった。

 しかも、昨年9月に「持病」を理由に首相を辞任して以降は、強硬な反対派として党内の極右議員を束ね、動きを活発化。実際、反対派として党内で立ち回っているのは、山谷えり子・元拉致問題担当相や高市早苗・前総務相、衛藤晟一・前少子化対策担当相、有村治子・元女性活躍担当相、長尾敬衆院議員、赤池誠章参院議員らといった、いずれも安倍前首相に近い極右議員ばかりだ。

 さらに、前述したように自民党内の会合では男女共同参画基本計画の政府原案に対して反対派が削除や修正を要求する事態となったが、そのとき、長尾議員はこんなツイートをおこなっていた。

〈あの会議をこちらの重要会議にぶつけて来た(ーー;)
重要会議に出席予定だった前総理も、迷う事なく瞬時にご了解頂き延期したよ。〉

 前総理というのは、言うまでもなく安倍前首相のことだろう。つまり、長尾議員は安倍前首相とともに別の会議に出席予定だったが、選択的夫婦別姓の会合が開かれることになり、安倍前首相が「迷う事なく瞬時に了解」したことで延期させた、というのである。

 このように、一気に動き出すと見られた選択的夫婦別姓制度の導入は、女性蔑視や差別を扇動してきた安倍前首相に近い極右議員の巻き返しによって、進展するどころか大きく後退に追いやられてしまったのだ。

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