しかし、ワイドショーなどではともかく、ネットでは、小木や矢作と同種の意見も多数見受けられる。また、本多議員の発言あった会合でも「12歳と20歳代でも真剣な恋愛がある」との意見もあったと報じられている。
だが、これらの意見は、結局、性的な関係が社会的な力関係や支配関係が大きく影響し、同意しているかのように思わされている被害者が多数いるということに、全く気づいていいない。
もちろん、恋愛から社会的関係を100%排除することは難しいが、少なくとも未成年者との性行為については、児童が被害に遭わないように、法整備するのは当然だろう。
実際、民法における商契約でも労働基準法における労働契約でも、一定の年齢以下の未成年者は保護規定がある。親権者の同意なき未成年の契約は無効になるし、18歳未満や15歳未満の雇用にはそれぞれ制限がある。住む場所だって一人では借りられない。
にもかかわらず、児童との性行為だけは「認めるべき」「多様性」などとわめきたてる。
しかも、そうした発言はネットだけでなく、今回のように、政治家やテレビに出ている芸人の口から堂々と語られてしまう。そして、本多発言を批判するものも「気持ち悪い」「変態」といった排除・差別の文脈でしか語ることができない。
今回の論議はまさに、この国の性に対する意識の後進性を改めて浮き彫りにしたというほかはない。
(酒井まど)
最終更新:2021.06.20 07:11