府民が入院したくてもできない状態を生み、これだけ多くの死者を出しておきながら、自分の責任を一切認めようとせず、疑惑については詐欺的なゴマカシをはかる──吉村知事の態度はまさに、橋下徹時代からつづく維新的な詐術としか言いようがないが、しかし、問題はそれを許しているマスコミにもある。
前述したように中谷府議の感染判明後「即入院」問題は、本サイトの報道以前からSNSで広がっており、本サイトの取材に大阪府が認めたことでさらに非難の声が高まっていた。ところが、テレビも新聞も、マスコミ系のニュースサイトも、この問題に一切触れてこなかった。そして、今回はじめて言及されたものの、吉村知事が否定しただけで、番組内で深堀りされることはなかった。今年1月、自民党の石原伸晃・衆院議員が感染して即、東京医科歯科大附属病院に入院したときは、ネット上だけではなく、テレビのワイドショーでも取り上げられたのに、である。
これまでもほとんどの在阪メディアは、吉村知事や松井一郎・大阪市長の言い分を垂れ流すだけで、政策やその発言の検証・批判をなおざりにしてきた。その結果、維新議員たちのやりたい放題の不祥事を次々に生み、コロナ禍の失政を許し、いまも大阪府民の生命を奪いつづけているのだ。マスコミがこの共犯関係を改めないかぎり、この状況は繰り返されていくだけだろう。
(編集部)
最終更新:2021.05.29 07:41