石戸氏は、「たとえば入院体制っていうのがこの間、大阪はフォローアップセンターを立ち上げているわけですけれども、これだけ患者数が増えてしまう、かなり崩壊に近い状況になった」「ここから先の対策で非常に重要になってくるのが、不公平感っていうのをどういうふうに見直していくのかだと思います」と述べ、こうつづけた。
「たとえばですね、もう本当に、その、国会議員の秘書からですね、なんかこう保健所しっかりしろというような電話対応を迫られる事態になったとかですね、あるいはなぜ維新の府議は入院できるんだと。しかしその一方で多くの府民は入院できないような状態になっているじゃないか、というところに対して、ここで、しかも入院フォローアップセンターの機能がですね、やはりちょっと立ち行かなくなってきた。ここをですね、この間の反省を踏まえてですね、どういうふうに考えているのか。この説明をしていかないと、かなりこの不公平感ていうのが残っているんじゃないかなという気はしてるんですけど、いかがですか」
しかし、この質問に対する吉村知事の回答は呆れたものだった。
吉村知事は「いや、これはもうちょっと入院フォローアップセンターの取材をちゃんとしてもらいたいと思うんですけど」と言い、こう強弁したのだ。
「入院フォローアップセンターっていうのは、これは現場の医師も入ってですね、よりこの症状の重たい人から順にやっていこうというので、かなりフル稼働して一生懸命仕事をして、病床のなかに入っていてもらうということをやっていってます。だから、何か特別に、あの、誰か融通するとか、あの、なんかこう取り扱うとか、そんなことするようなメンバーではありません。人の命を救うという観点から、やる」
ようするに、吉村知事は“誰かを特別扱いするようなことをフォローアップセンターのスタッフはしない”と言って、維新府議の「優先入院」を否定したわけだが、言うまでもなくこれはまったく否定になっていないだろう。
まず、吉村知事は「症状の重たい人から順」に入院してもらっていると説明しているが、「即入院」ができた中谷府議の症状が当時、最優先されるくらい重篤だったとはとても思えない。
大阪府のHPによると中谷府議は4月26日の時点では登庁しており、先の府議会事務局の回答を考え合わせると、中谷府議は26日まで普通に仕事していて、その日の夜か27日に発熱してすぐにPCR検査を受け、すぐに結果が出て、すぐに入院したことになる。
しかも、同じく大阪府のHP には、入院発表時点で〈5月2日まで入院予定〉と、最初から退院予定が記されていた。重篤な状態で退院予定日を発表できるものなのか。
さらに、中谷府議のFacebookには、感染判明翌日の28日夕方、コロナとは何の関係もない告知情報のシェアが新たに投稿されていた。