なかには「悪ふざけがすぎる」「名誉毀損では」と諌める声も多少あるが、ほとんどが小室氏を結婚詐欺師扱いするというネタをおもしろがり、さらには結婚詐欺師を演じた男性俳優の顔や表情も小室氏に似ているという声まであった。
東海テレビは、わざと結婚詐欺師の名前を小室氏に似せたのか、あるいは偶然なのか──。そこで、原作である『最高のオバハン 中島ハルコの恋愛相談室』と続編『最高のオバハン 中島ハルコはまだ懲りてない!』(ともに文藝春秋)をチェックしてみたが、1巻の4話目に今回のドラマのベースになっていると思われる話が出てくるものの、原作には「小室敬」も「結婚詐欺師」も登場せず。念のため原作2冊の話をすべてチェックしたが、「小室敬」なる結婚詐欺師は一切登場していなかった。
ようするに、ドラマを制作した東海テレビが、ドラマオリジナルエピソード、オリジナルキャラクターとして、「結婚詐欺師・小室敬」を登場させた、というわけだ。
いまのメディア状況のなかで、わざわざこんな名前の人物を出すというのは、偶然とは思えない。しかも、たんなる悪役ではなく、“高収入の女性医師狙いの結婚詐欺師”という設定なのだ。「金目当てで眞子内親王に近づいた」「眞子内親王を騙している」という小室氏に対する誹謗中傷に便乗し、さらに増幅させようとしているという意図さえ感じさせる。
しかし、だとしたら、これ、許されることではないだろう。言っておくが、皇室に関係する人間だから揶揄してはいけないという意味ではない。フィクションであっても、モデルにした登場人物に対する名誉毀損が問われるケースがあり、相手が誰であっても、公共性の高いテレビ局がやっていいことではないのだ。