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菅首相が緊急事態宣言を出さないのは五輪開催を強行するため! ワクチン接種も五輪出場選手を優先させる計画が…

 しかし、このような無能ぶり全開にもかかわらず、菅首相は、記者から「今後、感染が拡大した場合、3度目の緊急事態宣言を出す考えはあるか」と問われると、またもこう強弁したのだ。

「緊急宣言にいたらないように、まさにこの、今回、罰則の適用もできるまん延防止の重点措置を講じたわけでありますので、徹底して警戒しながら対策打っていきたいと思いますし、またそうした新規感染者が増えはじめた場所とか、あるいは、病院提供の、その状況、そうしたものを踏まえて、先手先手と対策をおこなっていきたい」

 宣言発出の考えを訊かれたのに、それには答えず「緊急宣言にいたらないように」と押し通す。大阪府などに重点措置を適用した際のぶら下がりでも、菅首相は同様の質問を受けて「ですから、(重点措置は)緊急事態宣言に行かないような、また、感染拡大防止につながるような対応策だ」と色をなして反論をおこなったが、それがどうだ。大阪府ではコロナ患者の急増によって重症者用の病床が逼迫しているだけでなく、2つの医療機関が交通事故や急病といった重篤な一般患者を受け入れる3次救急を一時停止するなど、再び医療崩壊の危機に瀕している。「緊急事態宣言に行かない」状態には食い止められず、すでに緊急事態宣言を発出すべき状況なのだ。実際、医療関係者からは「医療の逼迫の改善のためには緊急事態宣言を発出すべき」という声があがっている。

 にもかかわらず、大阪府の吉村洋文知事が宣言の発出要請に否定的な姿勢をとっていることをいいことに、菅首相にはまるで危機感がない。そして、頑迷ぶりをここでも発揮して、再び緊急事態宣言を出すことを拒否しようというのだ。

 危機的状況にあるにもかかわらず、なぜ菅首相はここまで頑なに緊急事態宣言を出したがらないのか。そこにあるのは、東京五輪の開催に与える影響だ。

 菅首相が緊急事態宣言を出したがらない理由については、3回目の発出で「何回同じことを繰り返すのか」という反発が起こるのを恐れているためだと言われているが、一方で「海外に与えるインパクトを抑えようとしているのではないか」という指摘もなされている。というのも、「緊急事態宣言」だと「State of Emergency」と強い言葉になるが、「まん延防止等重点措置」ならば「Semi-emergency coronavirus measures」(AP通信)や「emergency measures」(ロイター)などと印象を弱められるからだ。

 それでなくても、海外では五輪開催に懐疑的な見方が強い。実際、公益財団法人「新聞通信調査会」が3月20日に発表した米国、フランス、中国、韓国、タイの5カ国でおこなった世論調査の結果では、東京オリパラの開催について「中止すべきだ」「さらに延期すべきだ」を合わせた回答は5カ国すべてで7割を超え、タイにいたっては95.6%にもおよんでいる。

 その上、東京五輪をめぐっては、国際水泳連盟(FINA)が東京五輪のテスト大会について「(日本政府が)開催に向けて必要な措置を講じなかった」と批判し、中止を発表。この決定は東京五輪開催に赤信号を灯すもので、日本政府や東京五輪組織委員会などは慌ててFINAと協議をおこない、現在、実施の方向で説得をおこなっている最中だという。だが、もしこの状況で「State of Emergency」が発出されるようなことになれば、テスト大会にとどまらず東京五輪の開催自体に影響が出てくるだろう。

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