コロナ会食批判の高まりも無視して田崎史郎氏をはじめ、フジテレビに日本テレビ、読売新聞とメディア幹部・関係者と会食を繰り広げた菅義偉首相。新型コロナ対応を疎かにしながら会食でメディアを懐柔しようとは言語道断だが、その一方で、菅官邸はついに、あのキャスターを“圧力降板”させようとしているらしい。
そのキャスターとは、NHKの看板報道番組である『ニュースウオッチ9』の有馬嘉男キャスターだ。
有馬キャスターといえば、菅首相が所信表明演説をおこなった10月26日に同番組に生出演した際、日本学術会議問題について「もう少しわかりやすい言葉で、総理自身、説明される必要があるんじゃないですか?」「説明がほしいという国民の声もあるようには思うのですが」と食い下がって質問。これに対し、菅首相は「説明できることとできないことってあるんじゃないでしょうか」とキレ気味に返答したが、放送直後から菅首相のキレっぷりを見て、問題に切り込んだ有馬キャスターの処遇を心配する声が上がっていた。
そして、その不安が的中しそうだという見方が、ここにきて出てきたのだ。
この問題を報じたのは、今週発売の「週刊文春」(文藝春秋)。記事のなかでは、NHK関係者がこう証言している。
「十二月末のキャスター委員会で、来年三月での降板が決定すると見られます。大越氏(編集部注:2015年に降板した大越健介キャスター)は在任五年、前任の河野憲治氏は二年だった。有馬氏も丸四年を目前に、交代時期として不自然ではありませんが、親しみやすく、好感度も高い。それゆえ、降板の背景には官邸の怒りがあるのでは、と言われています」
菅首相といえば、2014年に出演した『クローズアップ現代』で鋭い質問を浴びせた国谷裕子キャスターを降板に追い込み、さらには安倍政権に批判的報道が目立った『報道ステーション』(テレビ朝日)にも圧力をかけ、それが古舘伊知郎キャスターの降板につながったと言われてきた。有馬氏はその2人に比べれば及び腰なキャスターだが、しかし、それでも菅首相に怒りを買ったことで降板に追い込まれそうだというのだ。