『ワイドナショー』や、松本ら出演者の権力御用体質はわかっていたはずだったが、あれだけ国民から不評を買っている森会長にまでこんな露骨に尻尾をふるとは……。
ここで想起されるのが、森喜朗会長がスタジオに登場したとき、松本に「あなたが誘ってくれて」と言っていたことだ。ようするに、松本みずからがセッティングしたということではないか。
そう考えると、森出演の背景には、テレビ局や吉本興業の五輪対策というような意味合いもあったのかもしれない。五輪を牛耳る大物元政治家に番組を使って接待をしたのではないか。
実際、ここまで露骨でなくても、メディア、とくにテレビの東京五輪へのスタンスは冒頭でも説明した通り、似たり寄ったりだ。
五輪の話題は出場選手の動向以外では、「日本が一つになって成功させよう」だの「ラグビーW杯に続いて日本国民がONE TEAM で」などという、応援キャンペーンばかり。会場建設をめぐる疑惑はもちろん、五輪開催による被災地復興遅れの問題も、誘致をめぐる竹田恒和会長や電通の不正も、ボランティアをめぐる混乱も、マスコミでは完全になかったことになってしまっている。