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それでも森喜朗を擁護する人たち…産経新聞「厚化粧した集団いじめ」橋下徹「森さんの気持ちわかる」山口真由「欧米的ポリコレに違和感」

「表に出さずに裏で暗躍させればいい」というのは、まさしく森氏や橋下氏のような性差別主義者や、事なかれ主義で問題の本質を有耶無耶にしようとする日本社会の発想だが、それを「欧米的なポリコレカルチャー」などとすり替える……。だいたい、ポリティカル・コレクトネス=差別を許さず政治的公正さを求めることが進んでいないがために、この国はいまだに森会長が続投できる「性差別社会」が出来上がっているわけだが、それを「ポリコレカルチャー」と揶揄した挙げ句、「多様性」を持ち出して性差別主義者も認めろとは、無茶苦茶すぎる。しかも、「ポジティブに変えていこう」というのも、「批判ばかりではダメ」と言って結果的に批判を封じ込める、差別主義や冷笑主義の決まり文句だ。

 しかし、ワイドショーではこうした森発言擁護だけではなく、森会見での質疑に対するメディア批判までが飛び出した。5日放送の『ひるおび!』(TBS)では八代英輝弁護士が「撤回して済むものではない」としながらも、こうコメントしたのだ。

「記者の質問の仕方ってのもどうなのかなって。ようするに、『適任じゃありません』って記者の意見を言うことが記者なのか、それとも『私は質問する立場であって、お答えする立場にはないです』と答えるべきだったのか。そこの部分は僕はちょっとわからないんですけども、なんて言うんですかね、比較的記者の方は冷静に質問はしてたと思うんですけど、そのなかでだんだんだんだん森さんがヒートアップしてきてしまって、まあ、キレたような発言になってしまった」
「腹の中で本当は何を考えていらっしゃるんだろうってところで、やはり記者の質問が厳しくなってくるのは当然だと思うんですね。そこにまんまと乗ってしまったところはあるなと感じましたね」

 八代弁護士がここで「記者の質問の仕方ってのもどうなのかな」と問題に挙げたのは、会見で森会長に鋭く迫ったTBSラジオの澤田大樹記者の質問だが、実際には澤田記者が「オリンピック精神に反するという話もされたが、そういう方が組織委員会の会長であるのは適任なのか」と質問したら、森会長が「あなたはどう思いますか」と逆質問したために、「私は適任ではないと思う」と答えたものだ。つまり、訊かれたから答えただけなのに(しかもその回答はごく真っ当な意見だ)、それを「いかがなものか」といったように槍玉に挙げ、そうした記者の質問にはめられて森会長はキレたのだと八代弁護士はまとめたのである。

 明確な性差別発言を公の場で繰り出した五輪組織委トップが辞任すらしないという、女性が軽んじられつづけ差別が温存されるという異常事態が巻き起こっているというのに、実態と異なる「謝罪」「撤回」という定型句でまとめあげられ、「適任者だ」だの「海外メディアが」「記者の質問が」だのという筋違いの話で差別の問題がかき消されていく──。メディアがこの調子では、森会長はこのまま非難などどこ吹く風で居座りつづけ、「性差別発言がまかり通る」というこの国の問題は是正されないままになるだろう。だからこそ、「#DontBeSilent」、黙ってはいけないのだ。

最終更新:2021.02.06 06:21

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