仁坂知事はさらにこう続けている。
〈大都市では今はあまりにも感染者が多いので、積極的疫学調査もどうしても十分には行えません。特に現場の方々をそれ故に責めるのは気の毒です。しかし、その場合でも保健医療行政のヘッドクォーターや保健所が余計な仕事をしないで済むように、機能を移したり、応援をどんどん出したり、それらの仕事を専門的知識が必要な、あるいは公権力の行使といったコアな仕事かそれ以外のアンコアな仕事かを分けて、後者を外注に出すなど工夫をするのが、行政のトップの責任です。〉
〈コアな仕事だけは、今は十分出来ないかもしれないけれど、絶対に諦めてはいけません。諦めたと言った瞬間にコロナとの闘いの戦線は大崩壊を起こし、その地域を突破口として、日本のコロナは少なくとも欧米並みに大爆発をします。だって感染者がどんどん世の中に出ていくのですから、人にうつすに決まっています。〉
仁坂知事の言うとおりだろう。追跡調査ができなくなったから検査を縮小するなどいうのは、明らかに本末転倒なのだ。
キャパシティはいますぐには増やせないなどと言っている連中は、感染が落ち着いたら、“喉元過ぎれば”で、コロナが終わったら無駄、などと言って、保健所や医療体制の強化などに見向きもしない。だからこそ、保健所がここまで切迫しているいま、あらゆる知恵をしぼっていますぐ検査と疫学調査機能を増強するべきなのだ
そうしなければ、第4波になっても、第5波になっても、別のパンデミックが起きても、まったく同じことが繰り返されるだろう。
(編集部)
最終更新:2021.01.29 07:56