だが、一方で安倍前首相のときとまったく同じことが繰り返されるのではないかという危惧をおぼえるのは、そうした批判コメントに対して以下のような反論が多数投稿されていることだ。
〈菅首相の疲労蓄積ってトレンドを見て 不支持であろうとも、「こっちの方が疲れている」、「これぐらいで疲れるなら辞めろ無能」とか言える人って、部下や取引先、店員なんかにも似たようなこと言うんだろうなと思ってしまう。 日頃、どんなにブラック企業やら叩いているとしても。〉
〈首相の疲労蓄積に対して、「こっちのが疲れてるんだよ!」って言うのは医療従事者だけじゃない?菅さんと同じ状況に置かれてから文句言ってもらっていい?私たち一般市民より遥かに仕事してるよ。〉
〈首相の疲労蓄積に対して、国民なの方が〜とか言ってるやつキモすぎ。 お前なんもしてないだろww 菅さんは国背負ってんだよ〉
〈いくら菅政権が嫌だからって首相の疲労蓄積っていう記事に対して噛み付くのはどうなんだ??生身の人間だよ。政治家としての側面とは分けて考えるべきじゃないの?たしか戦後生まれだけど70歳は超えてる。〉
〈菅総理が疲労蓄積…云々の記事に対して「疲労・ストレス蓄積してるのは国民も同じ」「国民のために働くってのは嘘だったのか」的なコメントがあってドン引きしてる 暗に過労死するまで働けって言ってるようなもんだよねそれ 正気の沙汰じゃ無い…〉
〈いや、さすがに、 政治や政策がどうであれ この記事に対して 菅総理を侮辱するツイートが多いのは心が痛みます 普通に お大事にと言ってあげればいいのに -首相の疲労蓄積?不安視する声〉
いまさら説明するまでもないが、総理大臣というのは自ら進んでなる地位であり、絶大な権力を握る一方で、全国民の命を預かっている存在なのだ。しかも、安倍前首相や菅首相など、自民党の右派政治家たちは「国民が国家のために命を捨てる国」を再びつくろうとしてきた。
そんな政治家連中とブラック企業の過重労働にあえぐ労働者と同列に並べて、「菅首相を批判するのはブラック企業と同じ」とか言い出すのだから“問題の軽重”に関する認識がおかしくなっているとしか思えない。
国民に権力に対するこの甘さがある限り、日本の政権がきちんとしたコロナ対策をとることなどありえないだろう。
(編集部)
最終更新:2021.01.18 12:26