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菅政権の特措法・感染症法“罰則”案が酷い 調査拒否・虚偽報告に懲役刑も…片山前知事も「国会で118回嘘はお咎めなしなのに」と批判

 悪いのは政府ではなく協力しない市民のほうだと責任を転嫁する。これは、保健所への調査拒否・虚偽報告や入院拒否患者への罰則も同じだ。

 医学系136学会が加盟する学術団体である「日本医学会連合」は、これらの罰則を新たに設けようとする感染症法の改正に反対する声明を発表。かつて結核やハンセン病の患者・感染者の強制収容が法的になされ、重大な人権侵害が起こったことに言及し、〈現行の感染症法は、この歴史的反省のうえに成立した経緯があることを深く認識する必要があります〉と指摘。こうつづけている。

〈性感染症対策や後天性免疫不全症候群(AIDS)対策において強制的な措置を実施した多くの国が既に経験したことであり、公衆衛生の実践上もデメリットが大きいことが確認済みです。〉
〈入院措置を拒否する感染者には、措置により阻害される社会的役割(たとえば就労や家庭役割の喪失)、周囲からの偏見・差別などの理由があるかもしれません。現に新型コロナウイルス感染症の患者・感染者、あるいは治療にあたる医療従事者への偏見・差別があることが報道されています。これらの状況を抑止する対策を伴わずに、感染者個人に責任を負わせることは、倫理的に受け入れがたいと言わざるをえません。〉

 過去の結核、ハンセン病、エイズ患者・感染者に対して繰り広げられた差別事件への反省と教訓、そしてSNSの発達という時代状況を踏まえれば、権力側が対策をとるにあたって最重要視しなければならないのは、患者・感染者をあらゆる意味で守ることにほかならない。しかし、肝心の補償やプライバシー・人権の保護といった根本的な対策をとらず、逆に「公衆衛生の実践上もデメリットが大きい」と指摘されるような、個人に責任を負わせようという罰則を打ち出す──。「自助」どころか、ついには患者や協力に応じない側に失敗の原因があるのだと押し付けようというのである。

 十分な補償・支援策、人権侵害が起こらないようにする配慮、そして政府がおこなおうとする感染防止対策や医療提供体制の強化について情報の透明性を確保し、国民に向けてしっかりと説明をおこなう。これらがあってはじめて国民への協力を仰ぐべきだが、それをすっ飛ばし、罰則でどうにかしようとは、これでどうやって政府を信頼しろというのだろうか。

 当然、菅首相によるこの「罰則」という国民への責任転嫁策は、けっして許すわけにはいかない。だが、明日からの国会において野党が改正案に反対すれば、またぞろ「この緊急時に野党は足を引っ張る気か」などという声が必ずや出てくる。それを利用して、菅政権は押し通そうという算段なのだろう。だからこそ、必要なのは世論の反発だ。明日以降、本サイトでも責任放棄の改正案の審議を注視していくつもりだ。

最終更新:2021.01.17 10:01

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