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羽田雄一郎参院議員の死が示すコロナ検査の現実 玉川徹は「検査まで時間がかかりすぎ」と指摘も橋下徹らはいまだ検査抑制論を

 橋下氏といえば、何かあると『モーニングショー』と玉川氏を名指しして攻撃し、「PCRを無症状者まで全国一律で広げていったら、保健所から行政からパンクしていってしまう」などと主張。多くの人は「検査が必要な人が受けられていない」「感染拡大地は検査体制の拡充を」と求めていたのに「全国一律」などと話を盛り、さらには大阪の保健医療提供体制を脆弱にした張本人なのに「保健所から行政からパンクする」からと検査抑制論を唱えてきた。

 しかし、橋下氏自身が、軽度の発熱と喉の痛みでPCR検査を受けたように、発熱するなど異変が起こったら誰でもすぐに検査が受けられる態勢が本来は整えられるべきだし、橋下氏も経験からそう訴えるべきなのに、いまだに「回数を増やす問題ではない」などと言いつづけているのである。

 しかも、橋下氏のような検査抑制論が罪深いのは、現時点の行政の不備のエクスキューズになっているだけでなく、「現時点では無理でも将来的には検査を増やしていかなければならない」という議論すら封じ込めてきたことだろう。

 第1波で検査抑制によって多くの命が失われたにもかかわらず、検査抑制論を唱えていた者の多くは、その後も誤りを認めることなく、「必要な検査」はするべきなどと論点をずらし、検査に制限が必要であるとの前提をあらためなかった。その結果、第1波から半年以上経ったいまも、検査やその後の接触者追跡調査体制の構築、病床や隔離療養施設の増強が放置されてきた。

 医師や看護師を短期間に育成するのは難しくとも、アメリカ・ニューヨークや韓国のように接触者の追跡調査をするトレーサーを新たに育成・増強することや、野放しになっている民間検査を行政とうまく結びつけるシステム作りなど、可能なことはいくらでもあっただろう。

 ところが、検査抑制論のせいで、行政はそういった努力をスポイルしてしまったのだ。その結果、起きているのがいまの状況なのである。
 
 そういう意味では、検査抑制論者に「保健所がパンクしているのに検査を増やせなどというのはおかしい」などという資格はない。なぜなら、保健所を増強する議論を封じパンクさせたのは、検査抑制論者自身だからだ。

 いまからでも遅くはない。収束したら無駄になるとかワクチンができたからもう大丈夫などと楽観するのではなく、検査体制を拡充すべきだろう。

最終更新:2020.12.30 10:16

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