都構想にともなって、大阪府と大阪市は議会可決の前に法定協議会という組織を設置し、特別区の設置にともなう制度を協議してきたが、この法定協議会で自民党が何度も4特別区の基準財政需要額を示すよう求めていたのに、維新サイドはこれを拒否。事務作業を担う府市の共同部署「副首都推進局」も試算してこなかった。
しかし、大阪市を廃止して特別区を設置するという行政の大改革をやるのだから、独自の計算式を立ててでも、どれくらい増減するかを示すのは当たり前だろう。結局、それをやらなかったというのは、補正をしても、財政局が試算した「200億円程度の増加」になってしまうことがわかっていたからだ。
自分たちに都合の悪い試算データを隠しておいて、都合の悪い試算数字が出てきたら「捏造」「大誤報」などとわめいて否定にかかる。そして、否定のために自分たちがフェイクをまきちらす。維新のやり口はまさにトランプ大統領とそっくりといっていいだろう。
しかも、それは松井市長や馬場幹事長ら現役の維新政治家だけではない。橋下徹・元大阪市長や応援団連中も相変わらずスリカエや扇動を行なっている。橋下元市長にいたっては、〈住民投票直前に、最大の争点について、大阪都構想に不利な形で在阪メディアが大誤報をしでかした。都構想が可決されればそれでいいが、否決されれば住民投票は無効だろう。〉などと言い出した。
ありもしない事実を捏造し、虚偽をふりまいているのはどっちなのか。大阪市民にはぜひ賢明な判断をしてもらいたい。
(編集部)
最終更新:2020.11.01 10:44