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橋下徹が日本学術会議デマの説明求める取材に「無償のインタビューに応じていない」 望月衣塑子記者にスリカエ攻撃も

 テレビや動画、ライブでの討論は、主張の中身よりも、瞬発的な反応の巧みさや声の大きさ、口調の強さに左右される。そして、橋下氏はそのメリットを生かしている典型と言っていい。

 記者会見やインタビュー、テレビで、鮮やかな正論を語り、相手を言い負かしているように受け止められている橋下氏だが、その発言を文字起こしすると、詭弁、すり替え、事実誤認が多数含まれていることも少なくない。

 そのことがよくわかるのが、大阪市長時代、会見で教員に対する君が代の起立斉唱強制に関して質問しようとした毎日放送の斉加尚代記者に対して行なった恫喝だろう。

 斉加記者はこのとき、君が代斉唱強制で口元までチェックすることが妥当かどうかを質問しようとしたのだが、橋下氏は「(起立斉唱)命令は誰が出したんですか?」などと逆質問。斉加記者は「市長がご存知のことを、私に尋ねていらっしゃるだけですよね。それはおかしなことじゃ……」と反論したが、橋下氏は「答えないと僕も質問に答えない」などと言い張った。

 それで、斉加記者がしかたなく「(府の)教育長」と質問に答えると、橋下氏は「とんでもないですよ。もっと調べて下さいよ。教育長が、命令を出せるんですか」と全否定。鬼の首を取ったように「誰が教育行政の決定機関なんですか。そんなことも知らずに、取材なんかくるんじゃないですよ。何を取材しに来てるんですか。命令の主体くらい知らないのにね、なんでこんな取材ができるんですか」などとまくしたてたのだ。

 しかし、実はこの君が代起立斉唱強制の命令通達は、「平成24年1月17日」付で「教育長」名で、府立高校校長と教職員宛に通達が出されていた。つまり、斉加記者の回答は正解で、間違っていたのは「行政の長」である橋下氏だったのである。にもかかわらず、橋下氏はそのあとも質問には答えず、「勉強不足」などと罵倒し続けた。

 そもそも市長の記者会見というのは行政チェックのために行なっているもので、記者が知識不足だろうが勘違いしていようが、市長には質問に答える義務がある。それを「勉強不足の記者には答えない」などというのは行政の長としてありえない態度だ。しかも、橋下氏は記者が逆質問に正しい回答をしているのに「そんなことも知らないのか」「勉強不足」だと言い張って、質問に答えるのを拒否し続けたのだ。

 めちゃくちゃな話だが、しかし、このやりとりが映像でネットやテレビに流された結果、橋下氏が勉強不足の記者のイチャモンを正論で負かしたというイメージだけが広がり、いまでもそう信じている人は少なくない。

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