この問題を最初に報じたのは、「週刊新潮」2019年7月18日号。同誌には、山口氏はTBSを退社したあとの2016年11月に「NKB」の子会社と顧問契約を結んでいた事実、そして広告代理店関係者のこんな証言が掲載されている。
「この滝会長と菅さんが仲良しなんです。山口がTBSを辞めた後に、菅さんが”山口にカネを払ってやってくれないか”と滝会長に依頼したそうです。具体的には月42万円で、実際に払っているのは横浜にあるNKBの子会社。本体の方が業績がよくないので、そうなったということですが、子会社の経営陣は不満を抱えていたようです。“会社と何の関係もない山口に、ちゃんとした人を一人雇える額をなんで払わなきゃいけないのか”と」
さらに、この関係者は、山口氏は滝会長の子会社に一度も出社したことがなく、「週刊新潮」が2017年5月に伊藤詩織さんへの準強姦疑惑の告発記事を出すと支払いを止めたことから、山口氏との顧問契約は「どうしても断れない特別な案件だったからと考えるのが自然」とも述べている。
一方、「週刊新潮」は滝会長への“山口氏支援の依頼”にかんして菅氏を直撃しているが、言葉少なに関与を否定するだけで、「それ以上は言えない」などと、事実上、説明を拒絶したという。
いずれにしても、菅首相とぐるなびの滝会長がかなり昵懇な関係にあり、これまで菅首相がさまざまな協力・支援を受けてきたことは疑いようがない。
だとすれば、「GoToイート」のポイント還元事業が大手グルメサイトを通さなければいけない制度になってしまったことに、こうした菅首相と「ぐるなび」の親密な関係は影響していないのか。
繰り返すが、いまの制度は飲食店の救済どころか飲食店の経営を逼迫させ、グルメサイトだけを儲けさせる結果を引き起こしているのだ。こうした事態を改善させるためにも、徹底した追及と検証が必要だろう。
(編集部)
最終更新:2020.10.18 05:01