首相官邸HPより
本日24日、連続在任期間が佐藤栄作を抜いて歴代最長となった安倍首相が、先週につづいてまたも慶應義塾大学病院を受診した。
病院を再び受診するという情報は昨夜から報じられ、「明日は病状について会見を開いてそのまま辞任か」「麻生太郎副総理が首相代行と発表するのでは」「8月解散で次期総理に菅義偉官房長官を立てる」などと情報が錯綜。無論、朝から慶應大病院の前には大勢のマスコミが大挙し押し寄せ、その行方について固唾を呑んで見守っていた。
ところが、約3時間半病院を受診し、その後に官邸入りした安倍首相は「きょうは先週の検査の結果を詳しく伺い、そして追加的な検査をおこなった」と言うと、「体調管理に万全を期してこれからも……これからまた仕事を頑張りたい」「きょうは再検査をおこなったところで、また、そうしたことについてはお話しさせていただきたい」と発言するにとどまった。
「すわ退陣か」と大騒ぎした先週と同じように、またも曖昧なままになった安倍首相の検査と進退問題。だが、マスコミは「健康不安」説で大騒ぎするだけで、じつは肝心なことをまったく指摘していない。それは、この間の安倍首相の健康問題に関する動きが、あまりにも不自然すぎるということだ。
そもそも、検査の流れ自体が不自然だ。先週、安倍首相が慶應大病院を受診したのは「6月に受けた人間ドックの追加検査」で、さらにきょうは「検査結果の報告と追加検査」だと説明されている。
しかし、一般患者ならまだしも、一国の総理大臣の検査が結果が出るまで1週間というのは少し時間がかかりすぎではないか。しかも「再び追加検査が必要」という事態ならば、早急な検査や検査入院などの対応がとられてしかるべきだ。ところが、安倍首相の場合は、悠長に1週間待ったうえに、自ら病院に検査結果を聞きに行き、そこで追加検査をしたにもかかわらず、そのあとも入院措置をとらず、公務に復帰した。これだけみると、実際は「重篤な病気ではなかった」としか考えられない。
さらに、もうひとつ疑念に感じるのは、今回も情報がダダ漏れであったということだ。前回も前夜から慶應大病院を受診するという情報が流れていたが、今回も前日からマスコミに「明日、安倍首相が慶應大病院を受診する」という話が確定情報として流れその旨報じられた。
その結果、当日朝には前述したようにテレビでは車で病院入りする安倍首相の様子が流され、その後の官邸でのぶら下がり取材もワイドショーがこぞって生中継。とくに、きょうは前述したように連続在任期間が歴代最長となり、それでなくても注目を集める重要な一日だ。そんな日にわざわざ病院を受診すれば、「健康不安」説に拍車がかかることは官邸も百も承知だったはずだ。
先週の受診後も麻生副総理や萩生田光一文科相といった安倍首相に近い閣僚は揃いも揃って “休んだほうがいい”と大合唱、「健康不安」説を肯定するような発言を連発。さらに、19日には時事通信が〈自民党幹部は「病状は相当重いようだ」と指摘〉と報じたように、自民党と政権の幹部がこぞって重病説を流していたが、きょうの受診後も、そういった情報がどんどん流れている。たとえば、フジは「健康不安」説を煽るかのように〈安倍首相に近い自民党幹部が、「何があってもおかしくない。準備をしておくように」と周辺議員に指示を出した〉と報じていた。