しかも、ここにきて維新の最高幹部がとんでもない反論をツイートした。
「ポビドンヨードうがい薬がコロナに効く」という吉村知事の会見の後、大阪府の開業医らで構成される「大阪府保険医協会」や「大阪府歯科保健協会」が吉村知事の発表に科学的な証拠がなく、健康被害や医療現場の混乱を招いていると指摘。「知事の発言は住民の命と健康に関わることを肝に命じて発言を」「医療機関と府民を混乱に陥れたことを真摯に受け止めよ」と批判した。
まさに正論だが、しかし、維新の馬場伸幸幹事長がツイッターで、このニュースをRTしたうえ、こうコメントしたのだ。
〈ひどいね〜 批判してる団体は共産党系、普段から政府や役所を批判している。今の制度がダメなら実現性のある提案をお願いします!〉(8月7日)
まったく呆れるしかない。大阪保険医協会や大阪府歯科保健協会はたしかにこれまでも、維新の政策を批判したことがあるが、それは維新の医療費削減政策が大阪の医療体制を崩壊させることを危惧しているからで(実際、今の大阪はその危惧通りになっている)、両団体は共産党系ではない。たとえば、大阪府保険医協会には6000人以上の開業医が加盟しており、これは大阪府全体の開業医以外も含めた医師数の約4分の1に当たる。 それがすべて共産党系だったら、大阪でもっと共産党が勢力をもっているだろう。
ようするに、馬場幹事長は自分たちが批判されたことをごまかすために“共産党”というデマレッテルを貼って攻撃しているだけ。そのやり口はほとんど「戦前の治安維持法」か「赤狩り」ではないか。
しかし、もっと呆れたのはそのあとだ。吉村会見を批判したことに対して「ダメなら実現性のある提案をお願いします!」って……おいおい、「ヨードうがい薬がコロナに効く」会見を批判したら、代わりに効く薬をこっちが提案しなきゃいけないのか? 国民が効く薬を提案できないなら、黙って吉村知事の勧めるヨードうがい薬を使えってことか?
維新といえば、政権や自分たちへのあらゆる批判に「だったら対案出せ」と切り返す“対案厨”ぶりが有名だが、まさかヨードうがい薬の件でまで対案を出せと迫ってくるとは……。もうむちゃくちゃである。
しかも、これ、馬場幹事長個人が「救いようがないくらい頭が悪い」ということで片付けられる問題はない。