いずれにしても、槙原の逮捕は明らかな違法捜査であり、起訴も不当である可能性が高い。そしてそのことは、今回、初公判に検察が提出した起訴状からはっきりしたのである。
しかし、マスコミは裁判になってもこうした捜査や起訴への批判は一切やらず、その内容をミスリードして逮捕時と同じように「槇原はやっぱり覚せい剤を繰り返し使用していた」かのように印象付けたのだ。
まったくその警察べったりには呆れるが、こうしたマスコミの姿勢こそがいまの警察の強引な薬物捜査をつくりだしたともいえる。薬物捜査に詳しい全国紙社会部記者が「組対5課は完全に調子に乗っている」として、その理由をこう解説する。
「組対5課が薬物捜査の手法をどんどんエスカレートさせたのは3〜4年前からで、ASKAのときや沢尻エリカのときは逮捕後に警察のやりすぎとしか思えない問題が噴出した。ところが、マスコミ、とくにワイドショーはその部分を一切批判せずに、むしろ逮捕された芸能人のほうを叩き続け、世論もそっちに流れた。あれで、組対5課が味をしめてしまったんですよ」
以前の記事でも指摘したが、芸能人の薬物汚染と、警察国家化・道徳ファシズムのグロテスクな合体による不当捜査、不当起訴の横行と、どちらが危険なことなのか。国民はもう一度考え直してみるべきではないか。
(林グンマ)
最終更新:2020.07.22 04:49