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「医療逼迫していない」は嘘だった!「病院も軽症者用ホテルも逼迫」と都職員が証言 なのに安倍政権はGoToキャンペーン前倒し強行

 その上、東京都は6月29日に1週間以内に最大3000床を確保すべく医療機関に準備を進めるよう通知をおこない、7月3日付の読売新聞でも都の担当者が「1週間あれば3000床まで増やせる」「医療体制は切迫している状況ではない」と説明していたのだが、6月29日の通知から1週間以上経っても、いまだに3000床を確保したという報告はない。これは、確保に難航しているということではないのか。

 そして、この背景には、新型コロナ患者の受け入れによって病院経営が悪化している点があるだろう。実際、新型コロナ患者を受け入れてきた東京女子医大では夏のボーナスがカットされ看護師約400人が退職を希望している状況となっているが、日本病院会と全日本病院協会、日本医療法人協会が6月5日に発表した「新型コロナウイルス感染拡大による病院経営状況緊急調査(追加報告)」によると、今年4月のコロナ患者を受け入れた病院の医業利益の赤字割合は全国で78.2%、東京ではこれをさらに上回り89.2%にものぼっている。この赤字割合は一時閉鎖した病院(84.2%)よりも高い数字だ。

 当然、ベッド確保のためにも、政府は早急に追加支援策として医療機関の赤字損失補填をおこなうべきであり、国会の閉会中審査でも野党が追及をおこなったが、しかし、加藤勝信厚労相はこれを拒否した。このような状況のなかで、はたしていつ3000床を確保できるのか。

 いや、それどころか、3000床でも足りなくなる事態も十分考えられる。厚労省は第2波に備えて各都道府県のピーク時の想定入院者数と確保見込みの病床数を推計しているのだが、東京都では確保見込みの病床数が4000床であるのに対し、最悪の場合の入院患者数は9058人となっているからだ。

 すでに東京都では再び医療崩壊を起こす危険がひたひたと迫っているというのに、過去最高の新規感染者数を記録しても何の手も打たず、医療を守るための赤字補填も拒否し、挙げ句、感染拡大に繋がりかねない需要喚起キャンペーンを前倒しさせる安倍政権──。このままでは、4月や5月の失敗以上の、さらに大きな被害が巻き起こることになるだろう。

最終更新:2020.07.10 06:34

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