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『テラスハウス』木村花さんへの「やらせ指示」はやはりあった! フジのリアリティショーでは過去にもやらせと自殺者が

 さらに問題なのは、こうして何度もやらせやセクハラを指摘されながら、フジテレビはまともに検証をしてこなかったことだ。2014年の「週刊文春」の報道の影響か、『テラスハウス』は突如いったん終了するのだが、当時のフジテレビの亀山千広社長はやらせを否定。結局、何事もなかったように、その後、劇場版が製作され、さらには新シリーズも放送された。

 しかも、これは『テラスハウス』だけの問題ではない。古くは一世を風靡した『進め!電波少年』(日本テレビ)内の「ユーラシア大陸ヒッチハイク横断旅行」での飛行機使用から、放送倫理・番組向上機構(BPO)から「重大な放送倫理違反があった」と厳しい意見が出された『ほこ×たて』(フジテレビ)、最近だと『クレイジージャーニー』(TBS)の問題まで、テレビ業界ではリアリティショーにおけるやらせが横行してきた。『テラスハウス』と同様に恋愛を扱ったリアリティ番組『あいのり』(フジテレビ、1999〜2009年放送)、TOKIOが司会をつとめ、1999〜2003年まで放送されていた高視聴率リアリティ番組『ガチンコ!』(TBS)など、数々の番組で「素人出演者」がやらせの実態を告発している。

 今回同様、リアリティ番組が最悪の結果を生んでしまったのが、『愛する二人別れる二人』(フジテレビ、1998〜99年放送)だ。

 この『愛する〜』は、素人の夫婦が登場して不満をぶつけ罵り合い、結婚を継続するか離婚を決意するかを選択するという内容。ときには夫婦が感情を爆発させてつかみ合いの喧嘩になったり、愛人が登場するなど、中身が過激になるほど視聴率はうなぎ登り状態となっていた。だが一方で、週刊誌では出演者やスタッフであるリサーチャーらによるやらせ告白も噴出。ニセ夫婦の"仕込み"から、妊婦という設定の女性がじつは妊娠していなかったりなど、疑惑のオンパレードだった。そして、ついには番組にやらせ出演していた女性が自殺していたことが発覚。このことがスポーツ紙で取り沙汰されると、フジテレビは番組打ち切りを決定した。……しかし、こんな大きな事態を招いても、フジテレビ側が打ち切りの理由として認めたのは、自殺した女性が出演したとき夫婦ではない男性を「夫役」としたことのみだった。

 木村花さんをめぐっても、木村さんを悪者扱いするような「やらせ」や「過剰な演出」がなかったのか。あるいはセクハラ被害はなかったのか。ネット・SNSの規制以前に、番組の問題を検証するのがまず先だろう。

 仮に実体としての「台本」がなかったとしても、スタッフによって本人の意に反するサジェスチョンがなされていなかったか。木村さんが悪者に見えるような切り取りや編集の仕方をしていなかったか。

 また、『テラスハウス』では、山里亮太、YOUらスタジオメンバーのコメントが視聴者の感想・感情の方向性をリードしていた側面も大きい。彼らに出演者を叩くよう毒舌を過度に要求していなかったか、あるいは誰をターゲットにするかなど、指示や打ち合わせはなかったのか。

 こうした検証抜きにして、同じような番組がつくられ素人参加者が悪者に仕立て上げられれば、いくらネットやSNSを規制したところで、今回のような悲劇がなくなることはないだろう。

 テレビでは、木村さんの死をセンセーショナルに取り上げ、「ネットやSNSの誹謗中傷問題」にしてしまっているが、『テラスハウス』問題に踏み込む報道はほとんどない。フジテレビはもちろんのこと、リアリティショーとやらせの問題は、上述のように『テラスハウス』やフジテレビだけの問題ではないため、他局も触れたくないのだろう。しかし、だからこそ、テレビ業界は真剣にテレビの責任に向き合うべきだ。フジテレビのワイドショーが「SNSの誹謗中傷に著名人も怒りの声!」などと責任転嫁して報じているのは、神経を疑う。

 テレビの責任について触れたのは、フジテレビの三田友梨佳アナはくらいのものだろう。三田アナは25日深夜放送の『Live News α』でこう語っていた。

「テレビに出る人にも心があります。ですが、SNSだけにすべての原因があるとは言えないと思います。私自身、テレビをつくる身として、どうしたら防げたのか、どれだけつらい思いをされていたのか、番組とはどうあるべきなのか、しっかり考えていきたいと思います。心よりお悔やみ申し上げます」

 フジテレビをはじめテレビ局は、責任転嫁でネット・SNS規制を叫ぶ前に、一人の人間を死に至らしめた経緯をただちに検証するべきだ。

最終更新:2020.07.01 10:34

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