高須克弥Twitterより
いったい、この人たちの頭の中はどうなっているのだろう──。高須クリニックの高須克弥院長らが「大村秀章・愛知県知事のリコール」を求める団体を設立、署名を募りはじめた件だ。
周知のように、昨年の「あいちトリエンナーレ」の「表現の不自由展・その後」をめぐる問題以降、高須院長ら極右安倍応援団はネット右翼と一緒になって“大村知事バッシング”を展開。「不自由展」をめぐる極右政治家らの攻撃のトンデモっぷりについては、昨年来、本サイトでも繰り返し指摘してきたのでそちらを読んでいただきたいが、高須院長らはついに団体まで立ち上げ、大々的にキャンペーンを張ろうというつもりらしい。
2日、高須院長らが名古屋市内で会見を開き、「お辞め下さい大村秀章愛知県知事愛知100万人リコールの会」なる政治団体設立を発表、あらためて大村知事のリコール運動を始めると大見得を切ったのだが、呆れたのは集まった面々。百田尚樹氏に有本香氏、竹田恒泰氏に加えて中部大学特任教授の武田邦彦氏という、ネトウヨ番組『真相深入り!虎ノ門ニュース』(DHCテレビ)でもおなじみ、中国や朝鮮半島の人たちへのヘイトを日々拡散・煽動する極右ネトウヨ論客ばかりだ。もう、この時点で胸焼けするレベルだが、連中は会見のなかで言いたい放題ぶちまけていた。
「天皇陛下の写真に火をつけてそれを踏みにじったり、我々を守るために亡くなられた英霊をはずかしめるような作品を、芸術作品として我々が払った税金から補助を与えるということ、それが一番許せないことです」(高須院長)
「昭和天皇の写真を焼いて踏みにじる作品を公金で展示したということはですね、しっかりと責任を追及しなくてはいけないと思っています」(竹田恒泰)
「(「不自由展」の)実行委員会が企画展の内容を隠して出すと言って、作者にも出品の際にはそういうことを言っていたと。補助金を申請しておこなう企画展としては非常に不適切ではないか。非常に強い言葉で言えばですね、補助金の詐取にあたるものではないか」(有本香)
「民間で勝手にやるぶんは、一応、表現の自由ということでなんでもありかなあと、品がないけどありかなあというところがありますが、しかしながら、これを税金でこういう展示物をおこなったと。国の税金、県の税金、あるいは市の税金ですね。税金でおこなわれる場合はですね、あくまで公共物、つまり国民、県民、市民のために資するものでないとダメですよね。ところが、まさにそのことと正反対のことがおこなわれて。これは税金詐取、一種の詐欺事件じゃないかという見方もあります」(百田尚樹)
ようするに、「平和の少女像」(いわゆる慰安婦像)の展示などに不満タラタラな極右文化人たちが、「不自由展」に「我々の税金を使った」ことを理由に「大村知事は辞めろ!」と息巻いているわけだが、いやはや、コレって何かのジョークなのだろうか?
というのも、百田も有本も竹田も武田も、例の安倍首相主宰「桜を見る会」の招待を受けて嬉々として出席、記念撮影までしていた。それこそ、“安倍首相のお仲間”というだけで「我々の税金」を勝手に使って飲み食いするなど、大はしゃぎだったわけだ。高須院長も出席こそしていないが、正真正銘の「血税の無駄遣い」に何の批判もせず、逆に野党攻撃を展開していた。それを、大村知事に対して「我々の税金を使うな!」とは、まったく“お笑い草”としか言いようがないだろう。