また、『逃げるは恥だが役に立つ』『アンナチュラル』(TBS)などのヒットドラマを手掛け、星野源と綾野剛のW主演で放送開始が待たれている『MIU404』(同)でも脚本を担当している脚本家の野木亜紀子は、法案審議がはじまる前から問題を指摘していたひとりだが、今回の「#検察庁法改正案に抗議します」のハッシュタグに「広告代理店が仕掛けた」「中国の仕業」などという陰謀論や「ハッシュタグをつけた芸能人は全員反日」などという声が出ていることについて、きょう、このような意見を投稿した。
〈このタグについて陰謀論が出てるけど、個人的にはもっと単純な話だと思ってます。これまで皆がそれぞれ、疑問や不信を少なからず抱いていた。しかし政治的と受け取られる発言は、嫌がるファンもいるし反発食らうし政治色つけたくないし黙っていた(是非はともかく)〉
〈だがコロナ禍で日常が崩れ、おいおい我が国大丈夫?と気持ちが強まったところに今回の件。さすがに黙ってられん!と抗議に至ったのでは。タグが寄与したところは大きいだろうけど、大人の職業人なんだから自分で考えて動いてるでしょう。大体、金や指令(?)で動く人たちですかね。〉
〈意見が違うというのなら何が見解を分けているのかという中身の話になるけれど、改正案に抗議した著名人=「反日」で「動員」という括りには根拠がなく、それこそデマです。また、『タグのほとんどがスパム』説は、ねとらぼの調査では否定されてます。5%以下だって。〉
無論、これは有名人たちだけの話ではない。ハッシュタグをつけて抗議の意思を示した多くの人たちが「このまま黙っていたら大変なことになる」という危機感を覚えたのだろう。しかし今回、多くの芸能人や作家が声をあげたことで、わずかながらテレビでも取り上げられた。もし有名人が参加していなければ、ほとんどの番組が多くの人が示した危機感を無視して、検察庁法改正案の問題をスルーしたかもしれないのだ。
安倍首相はいまだにそうした大きな声に向かい合わず、法案を強行採決させる姿勢を崩していない。だが、この状況を変えられるのは、市民の声の高まりとメディアの報道しかない。安倍首相が無視できないほどのもっと大きな声にするために、影響力のある芸能人たちにはこの運動を牽引してほしいと願うほかない。
(編集部)
最終更新:2020.05.14 11:52