このように、攻撃されても萎縮せず、自分の意思表示をやめない芸能人たち。しかも、ネトウヨたちは「たんにタグのブームに乗っただけだろ」「もう終了したの?」などと批判していたが、まったくそんなことはない。いまも検察庁法改正案に反対する投稿を繰り返している有名人はたくさんいる。
なかでも象徴的なのが、ミュージシャンで俳優の“ハマケン”こと浜野謙太だろう。
浜野は「#検察庁法改正案に抗議します」のツイートが溢れかえっていた5月10日に本人アカウントを開設し、水原希子が黒川氏の定年延長閣議決定撤回と辞任を求める署名の呼びかけたツイートをRTし、〈だいぶ遅れ馳せすいませんだけどリツイート。今はデモとかできないしTwitterでできるだけ発信するっきゃないよね〉と投稿。〈もし検察庁法改正案を止められたとしても、この黒川さんの定年延長閣議決定を無しにするとこまでいかなきゃまずいままよね。ついでに内閣人事院も解体しなきゃ忖度、改竄止まらない。深ぇ…〉ともコメントした。
さらに、11日には「首相「恣意的な人事の懸念ない」検察庁法改正案めぐり」というNHKニュースの記事をRTし、〈黒川さんの勤務延長だって「業務遂行上の必要性に基づき、引き続き勤務させる」て説明ゼロな人たちが、事前に明確にするから大丈夫!ってああそうですかなら安心だ!……っていくらなんでもならねぇよ〉と切り込んだかと思えば、12日も、森雅子法相が検察庁法改正案を「問題ない」と発言したニュースに対し、〈「国民の疑念や誤解に対し真摯に説明していきたい」って、検察は国民に疑念持たれた時点でダメだよ。不偏不党だろうが。お友達人事で閣僚も官僚も終わってんだから検察まで絡めとられたらウチらは詰みだよ〉と批判。そして、同じく12日夜には、こんな投稿をおこなった。
〈はまけんが本人アカウント始めたがいきなりの政治ツイートばかりでフォローためらってる方や引いてる同業者の方もしいたらごめんなさい。僕は森友問題からもっと前の甘利さんの時から検察ナゼ?と。今回のことで頭爆発しそうになったので固執してます。後でバランスとります〉
じつは、浜野は個人としてTwitterをはじめた10日に、「#検察庁法改正案に抗議します」のハッシュタグをつけ、ある画像を貼り付けた上で〈これもうやむやにされたくない〉というコメントを投稿していた。その貼り付けられていた画像は、森友公文書改ざん問題で自殺に追い込まれた近畿財務局職員・赤木俊夫さんの妻が国と佐川宣寿・元財務省理財局長を提訴したことを伝える今年3月19日付けの新聞記事だった。
ようするに、ネトウヨが言うような「ブームに乗っかっているだけ」などではなく、浜野は佐川氏はじめ財務省関係者全員が不起訴処分となった森友問題のことも、贈賄側の実名証言まであったのに甘利明経済再生相(当時)はおろか秘書すら立件されなかった甘利口利きワイロ事件のことも、ずっとおかしいと感じ、問題を注視していたというわけだ。