しかも、本日22日午前におこなわれた菅義偉官房長官の会見では、「生産流通の過程において、報道のような一定程度の不良品が生じることはある」などと不良品マスクがあったことを開き直り、「配布をおこなう前段階において適切に除外されている」と断言。本日午後の会見でも、「複数の不具合が発見された妊婦向けマスクとは状況が異なるので、現時点で計画を変更する予定はない」と述べたのだ。
菅官房長官は「一定程度の不良品が生じることはある」などと言うが、髪の毛だの虫だのが混入した事例を確認したら、企業は販売中止と回収に動くものだ。それに、前述したようにカビが生えていることが確認された布マスクは目で見てすぐわかるものだが、このような製品がひとつでも出てくるということは、製造・管理体制や、衛生状況が一体どうなっているのか、目視では確認できない不衛生なものがほかにもあるのではないかと考えるのは当然だ。しかし、菅官房長官は「適切に除外されている」「妊婦向けマスクとは状況が異なるから配布計画は変更しない」などと言い張るのだ。
国民に不良品が発見されていることを隠蔽し、不良品発見を追及されると開き直り、安全性が守られているのかまったく信用ならないというのに計画変更さえ認めない──。ようするに、安倍首相が全戸配布を決定し大号令をかけた「アベノマスク」を、いま計画を変更して中断あるいは回収などすれば、さらに批判が高まることは必至。だからこそ、「カビ付着マスク」という健康を害しかねないシロモノが配布される可能性があろうとも、絶対に計画を撤回しようとはしないのだ。
この期に及んでも、国民の健康よりも批判の封じ込めを重視して情報の隠蔽をしていた安倍政権。だが、「アベノマスク」をめぐる情報隠蔽は、ほかにも起こっている。それは納入業者と費用の問題だ。