危機的な事態になるとその人間の本質が表れるというのは、よく言われることだが、新型コロナ感染拡大はまさに、松本人志や立川志らくらの、差別意識と卑劣さ、弱者を平気で切り捨てる冷酷な本質をあらわにしたということだろう。
いや、彼らだけではない。新型コロナ感染では、安倍政権の弱者切り捨ての本質もはっきりした。今回、ホステスや性風俗従事者の補償排除は見直しになったが、それはあくまで子どもの休校措置にともなう休業補償にかぎってのことだ。これまでの安倍政権の姿勢を見ていると、ほかの補償では相変わらずホステスや性風俗従事者が対象から外されることも十分考えられるし、ホステス以外にも、ホームレスや在日外国人など、社会的に弱い立場の人が補償されない可能性は非常に高い。
しかも、いまの日本社会には、その安倍政権の弱者切り捨てを全面肯定する残酷な空気が広がっている。
しかし、彼らは明日、自分たちが同じような状況に陥ってしまうという可能性を考えないのだろうか。
覚せい剤で逮捕された俳優の高知東生が、このホステスや性風俗従事者排除に際して、ツイッターでこうつぶやいていた。
〈今コロナの問題で、風俗で働く女性には風当たりが強くて支援金も貰えないって聞いたけど、風俗で働く女の子には色んな事情を抱えた人が沢山いる。昔スカウトマンやってたからよくわかる。俺が言うと問題かもしれないけど、道徳では生きていけない、生きることに必死な人がいるってわかって欲しいな。〉
〈俺、逮捕されてみて判ったけど困った時に声をあげられる人と、あげられない立場の人がいるんだよね。そこに気づいて代弁してくれる人もいるんだけど、俺はその人達のことも知らなかった。無知ゆえに根性論と自己責任論ふりかざしてた俺が、今は全く見えてなかった人に助けられ救われてるんだよね。感謝〉
逮捕されて初めて、無知ゆえに根性論と自己責任論をふりかざしていたことの愚かさに気づいたという高知。後悔しないためにも、我々は弱者が抱える問題を自分ごととしてとらえる想像力が必要なのだ。
(編集部)
最終更新:2020.04.09 01:29