HTB北海道テレビがスクープ!
安倍首相夫妻との関係が疑われるあのマルチ企業をめぐり、また不可解な疑惑が持ち上がった。
そのマルチ企業とは48(よつば)ホールディングス(以下、48HD)。独自の仮想通貨「クローバーコイン」を「購入すれば1カ月半後には10 倍に値上がりする」「3カ月で128倍の価値になる」などと嘘を騙って販売をおこなったとして、2017年には特定商取引法違反(不実告知など)にあたるとして消費者庁から3カ月の一部取引停止が命じられたこともある。全国各地で損害賠償請求訴訟も相次いでいる。
そして、48HDといえば、本サイトでも繰り返し報じてきたとおり、淡路明人社長(当時)が2016年に開催された「桜を見る会」や安倍晋三後援会主催の「前夜祭」に出席。安倍首相と昭恵氏との写真や「桜を見る会」で撮った菅義偉官房長官とのツーショット写真を勧誘に使用していたことがわかっている。
その48HDが一昨年、刑事告発されていたにもかかわらず、告発を受けた財務省北海道財務局が調査をおこなっていなかったというのだ。
これは3月30日、北海道のテレビ局・HTB北海道テレビがスクープしたものだが、HTBの報道によると、被害にあった会員の代理人を務める杉山央弁護士は、「仮想通貨交換業者であり、財産を返還する義務があるにもかかわらず返還に応じないのは資金決済法違反にあたる」として、北海道財務局に刑事告発をおこななった。ところが、道財務局は、違法性の有無や仮想通貨に本当に該当しないのかを検証することもなく、「仮想通貨に該当しない」との回答をしてきたのだという。
HTBの取材に対し、杉山弁護士は「違法性が本当にあるのか仮想通貨に本当に該当しないのか、財務局側で検証してそれで対応するというのが筋だと思うが、なぜか無理やり幕引きしようとした印象」と語っている。
しかも、その8カ月後、北海道財務局の担当者が杉山弁護士に対してこんな告白をしたのだという。
「告発状まで出てるしやらなきゃまずいと思ったので動きたいという話をしたが、上司と金融庁のほうから動くんじゃないと言われて私は動けませんでした」
財務局の担当者は調査に動こうとしたが、上司と金融庁から止められたというのである。担当者は調査できなかったことに「忸怩たる思いがある」とも語っているという。
いったいなぜ、財務省北海道財務局、金融庁は調査に動かなかったのか。
48HDは、上述のとおり、淡路社長が「桜を見る会」や安倍晋三後援会主催の「前夜祭」に出席し、そこで撮影した安倍首相夫妻や、菅官房長官ら政権幹部との写真を、勧誘に使用していたことがわかっている。
また、淡路社長は安倍首相の地元・下関市で昭恵氏が経営する複合型ゲストハウス「uzuhouse」(ウズハウス)でも、安倍首相とツーショット写真を撮っており、これも勧誘に使われていたという。
さらには、この「ウズハウス」に、淡路社長が出資していたことまで判明している。
「桜を見る会」とマルチ企業といえば、「総理枠」で会長が招待されていた悪徳マルチ商法のジャパンライフに対する消費者庁の立入検査を政治圧力で取り止めていたという疑惑がある。この48HDについても、安倍首相・昭恵氏をはじめとした政界官界人脈との関係への忖度が、行政処分を遅らせ、被害を拡大させたのではないかとも疑われている。
今回浮上した、北海道財務局と金融庁の刑事告発スルーの背景にも、同様の構図はないのか。
以下に、安倍首相夫妻と48HDの関係を報じた記事を再録するので、ご一読いただきたい。
(編集部)