それにしても、いったいなぜ、彼らはここまでして、検査しないことを正当化したがるのか。
「自分たちの後手後手対応や失策、検査体制の不備を認めたくない政治家、自治体首長、厚労省官僚が実態を隠したがっているというのはもちろんですが、加えて、日本は感染症学会の主流が検査不要論で、検査の効果を頑として認めないというのが大きいと思う。それが厚労省の官僚に言い訳を与え、厚労省の息のかかったメディアやジャーナリストが厚労省に乗っかって『検査不要論』を振りまくという構図になっている」(医療ジャーナリスト)
しかし、騙されてはいけない。繰り返すが、検査拡大が感染抑え込みにつながるというのは、海外の事例が証明しているのだ。
『羽鳥慎一モーニングショー』で検査拡大を一貫して主張してきた玉川徹が昨日、休みから復帰し、こう明言していた。
「やっぱり検査数が少ない。今になってほぼ確定してきましたけど、アメリカはなんでこんなに感染者数が増えて大変な状況なっているのかっていうのは、アメリカのなかでも分析が行われてやっぱり検査が足りなかったと。感染が広がり始める初期での検査が足りなかった。フランスも方針を転換しました。それからドイツは致死率が低いです。今のところ致死率が0・78%。日本は3%以上の致死率。これは日本の場合、検査が少ないから致死率が高いっていうのもあるんだけども、韓国と比べてもドイツは低い。何でかってドイツは徹底的に検査をやったと。軽症者も隔離していると。その結果として致死率が低く抑えられていると言っている。だから検査をやらなきゃいけないんですよ。日本は検査ができるのにもかかわらず、いま、絞っています。どっかでこれを変えるべき」
「医療崩壊を起こさないためには、どうすればいいかって、トリアージをやって軽症者を隔離するってことが大事。入院はしないけど隔離させる。そのためには軽症者を隔離するための施設が必要。それから感染者が増えれば重症者も増える。その意味で言うと、人工呼吸器が圧倒的に少ない。日本の技術力があればつくれます。この3点です。海外は遅かったと、いま反省している」
今からでも遅くない。政府や自治体は広く検査を行う方針に転換すべきだ。メディアやネットでは自粛を無視する若者への非難が広がっているが、そんなことに血道をあげるより、検査拡大を求め、実現させるほうが、自粛を促すことにも大きな効果があるはずだ。
(編集部)
最終更新:2020.03.31 08:54