『虎ノ門ニュース』に出演する青山氏
新型コロナウイルスに関して、安倍首相が中国や韓国などからの入国規制を宣言したのが先週のこと。検査・治療体制の整備や一斉休校やイベント自粛に伴う休業補償など経済対策はおざなりで、意味のない水際対策に固執するヘイト体質には呆れるほかないが、 “中韓ヘイト”まっしぐらのネトウヨや極右界隈は両手の拍手を送っている。その筆頭が“ネトウヨの尊師(グル)”こと自民党の青山繁晴参院議員だ。
6日の参院予算委員会では「中韓の入国規制」に賛辞を送るとともに、新型コロナウイルスによる感染症を「武漢熱」と呼んでいる青山センセイは「感染症に地域の名前をつけるべきだ」という趣旨を連発。差別を招くとして病名に国名・地域名は避けるべきというWHOの指針を完全無視したうえ、あげく、国会で「(中国は)武漢には武漢病毒研究所があるという事実を薄れさせて、まるで日本が感染拡大の主犯であるような宣伝が始まっている」などと、例の「生物兵器説」なるトンデモを匂わせる始末だった。
そんな相変わらずの青山センセイだが、3月9日、隔週月曜レギュラーを務めているネトウヨ番組『真相深入り!虎ノ門ニュース』(DHCテレビ)に、その姿はなかった。この日の番組では、産経新聞の田北真樹子氏と右派ジャーナリストの須田慎一郎氏が代打出演。青山センセイについて「予算委員会にご出席のため生憎本日はご登場かないません」と説明された。
だが、コレ、本当は「予算委員会出席のため」とか、そういう話ではないらしい。実は、どうも青山センセイは『虎の門ニュース』から“嘘つき認定”され、三行半を突きつけられてしまったらしいのだ。
その顛末は、今月5日、DHCテレビが公式ホームページにアップした「青山繁晴さんの3月9日出演休止について」なる題の文書に記されている。書いたのはDHCテレビジョンの社長で、番組のチーフプロデューサーである山田晃氏だ。
なんと、山田社長はいきなり〈青山繁晴さんのブログをきっかけに当番組及び他の出演者への見当違いな憶測や批判が起こっておりますので、番組プロデューサーとしての見解を申し上げます〉といって、以前、青山センセイが番組を“ズル休み”したことを暴露したのである。
山田社長によれば、この“青山パージ”のきっかけは、昨年9月23日に青山センセイが番組を休んだことにあるという。
〈当時、放送2日前に青山さんの秘書さんから「議員が体調不良で月曜の出演をお休みしたい」旨のご連絡をいただきました。
これは大変ということで、青山さんには心配なくご静養頂くことをお願いし、急遽代打としてケント・ギルバートさんと門田隆将さんに事情を話した上で代打出演をご快諾いただきました。
しかしその夜に青山さんは自身のブログで、月曜の虎ノ門ニュースを休むのは仕事が多忙であるという旨の発表をなされました。〉(DHCホームページより)
たしかに、当時の青山センセイのブログをチェックすると、9月20日に〈あー、しんど。
けど、無事。凡て、さしたることもなし〉と書いて、翌21日には〈9月23日月曜の虎ノ門ニュースには、参加しないことになりました。ぼくの仕事の都合です。ごめんなさい!〉と公表。そして、番組出演予定日の前日にあたる22日には、日本チェコ友好議連の一員として大阪の堺商工会議所で開かれたオープニングセレモニーに参加し、挨拶している。
だが、山田社長によると、青山センセイ側は番組側におやすみの理由を「体調不良」と伝えていた。つまり、嘘をついて“ズル休み”したというのだ。山田社長は明らかに恨み節でこう続けている。
〈それならそうとはじめから正直にご相談くだされば良かったのですが、これでは「レギュラー出演者の体調不良」を理由にかなり急な出演オファーをした番組スタッフが嘘をついたことになります。
些細なことのように思われる方もいらっしゃると思いますが、代打でご出演いただいた出演者も暇ではありません。
みなさんお忙しくされている中、「レギュラー出演者の青山さんが体調不良で困っている」からお時間を作ってくれたのです。
それが、体調不良は嘘で本当は仕事がたてこんでいるから休む、ということになればどうでしょうか?
出演者にしてみれば、青山さんにとって虎ノ門ニュースは大切な仕事ではなく、他に忙しい仕事があれば平気で休むどうでもいい仕事で、その穴埋めをやらされていると思われても仕方なく、番組スタッフはその片棒を担いで嘘を言っているということになってしまいます。
これでは番組スタッフと出演者の信頼関係は瓦解してしまいます。〉
文面から、他の極右出演者にこの“ズル休み”問題で相当突き上げられた臭いがしてくるが、実際、番組を「体調不良」で休んだはずなのに、青山センセイはその前日の22日にチェコ領事館のイベントに出席。その告知や報告を嬉々としてブログに連ねていた。