しかも、パーティ会場である大谷山荘については、ホテルニューオータニと同様の疑惑もささやかれている。それは、政府行事に使用してもらった見返りだったのではないかという疑惑だ。
ホテルニューオータニをめぐっては、昨年10月22日の「即位礼正殿の儀」の翌日23日におこなわれた「内閣総理大臣夫妻主催晩餐会」が予算総額1億7200万円でおこなわれている。この晩餐会は入札もおこなわれず、不透明な選定によってニューオータニに決定しており(詳しくは既報参照→https://lite-ra.com/2019/11/post-5104.html)、こうした国が発注した行事の見返りにニューオータニが値引きをおこなったのではないかという指摘が出ているのだが、実際、ニューオータニの代表取締役常務であり東京総支配人の清水肇氏は「週刊文春」(文藝春秋)の直撃取材に対し、「このあいだの晩餐会もやっていただいた。総理といえば天皇の次くらいの人ですから、使ってもらえるのはありがたいですよ」と自らコメントしているのである。
そして、大谷山荘も、繰り返してきたように安倍首相が日露首脳会談の舞台に選び、プーチン大統領を招いたことで、マスコミが特集を組み、「老舗高級温泉旅館」として一躍名を轟かせた。その宣伝効果は絶大だったことは言うまでもない。その後旅行ガイドには「プーチン大統領が宿泊」「プーチン大統領を癒した」などの惹句で紹介されている。
その上、大谷山荘別邸の近くには、倒産した白木屋グランドホテルの従業員寮が廃屋になっていたというが、〈景観を損ねるうえ、警備上の邪魔にもなる〉という理由で解体・撤去することになり、長門市はこれに補正予算3325万円を計上(「週刊新潮」2016年11月17日号/新潮社)。ようするに、安倍首相がプーチン大統領を大谷山荘に招待したことによって、税金で大谷山荘周辺の環境整備までおこなわれたというわけだ。
叩けば叩くほどホコリが出てくる、安倍首相の有権者買収と不当な値引き疑惑──。「野党はデマを流した!」と騒ぐ前に、まずは国民に対して明細書などの客観的証拠をきちんと示してから説明すべきだ。そして、それをしない・できないということは、自ら「クロ」であることを認めていることに等しい。
(編集部)
最終更新:2020.01.27 10:44