小説、マンガ、ビジネス、週刊誌…本と雑誌のニュース/リテラ

グレタさん攻撃の登山家・野口健のスポンサーは飛行機燃料も販売するコスモ石油! 電力業界の広告で再生エネルギー批判も

 野口氏の環境やエネルギー問題に関する言動が、金がらみ、ビジネスがらみになっていることは、もうひとつのスポンサー企業との関係からもうかがえる。そのスポンサー企業とは、ほかでもない東京電力をはじめとする電力会社だ。

 野口氏はこの間、さまざまなメディアで原発を容認し、再稼働を支持する意見を述べてきた。東日本大震災、福島原発事故が起きた2011年の段階ですでに、「週刊朝日」(2011年9月9日号)に登場し、「原発推進」か「原発反対」で「色分け」すべきでないとして、〈環境問題に携わっていると「開発か保護か」「白か黒か」「100か0か」という議論に陥りやすいのですが、それは思考停止の始まりでもあると思うのです〉と、原発反対論を抑え込む意見を述べていた。2012年には『報道ステーション』(テレビ朝日)の「原発再稼働 わたしはこう思う」というシリーズ企画に出演し、原発再稼働を容認するような発言をしている。
 
 しかし、その野口氏はかなり前から東京電力と密接な関係を築いていた。いま、確認できるものだけでも、2006年には東京電力の協力のもと尾瀬で「自然学校」を行っているし、2008年には東電の永年尾瀬保護活動担当・竹内純子氏との対談が、東電のホームページに掲載されている。

 前述した2007年の「野口健の特別企画 エベレスト・富士山同時清掃」の協賛にも、コスモ石油や日本アムウェイなどの企業とともに、東京電力が名前を連ねている。2009年の著書『自然と国家と人間と』(日経新聞社)の表紙を飾る野口の胸にも、東京電力とコスモ石油のロゴがつけられていた。2009年にはBSフジで放送された原子力発電環境整備機構(NUMO)のPR番組のパーソナリティを務めている。

 そして、2012年には澤田哲生・東工大助教授や奈良林直・北大名誉教授ら原子力ムラの学者とともに「日本エネルギー会議」なる団体の発起人に名を連ねている。ちなみに発足時の「日本エネルギー会議」事務局の住所やFAX番号は、極右雑誌「WiLL」の発行元であるワック株式会社と同じ。実はワック株式会社は原発事故前、関連会社で東京電力の広告やイベントを制作しており、「WiLL」に頻繁に原発PR広告を掲載していた。

 東京電力だけではない。2017年に中部電力のイベント「ちゅうでん サイエンス・フォーラム 2017」で講演するなど、電力会社や原子力関連団体のイベントに多数参加してきている。

 しかも、野口氏は電力業界からギャラをもらって、こうした原発容認への世論誘導を行なっている。2013年、野口氏は「週刊新潮」1月31日号の「インタビュー」を受け、例の「原発推進か原発反対かで色分けすべきでない」的な原発廃止論を牽制する意見を述べながら、〈再生可能エネルギーでは、一般には、太陽光発電や風力発電に注目が集まっていますが、お天気まかせ、風まかせの部分は否めず、不安を覚えます〉と再生可能エネルギーを批判していた。ところが、この「インタビュー」の末尾には、「提供 電気事業連合会」の文字。ようするに、これ、電力業界の司令塔・電事連の広告だったのだ。

 裏でスポンサーから金をもらい、原発反対論と再生可能エネルギーを批判する──この行動は、それこそ電力会社の金に群がり、「原発は安全」と言ってきた原子力ムラの御用学者や文化人、ジャーナリストと同じではないか。

関連記事

編集部おすすめ

話題の記事

人気記事ランキング

話題のキーワード

リテラをフォローする

フォローすると、タイムラインで
リテラの最新記事が確認できます。