たとえば、「正論」2009年7月号で、日本会議の中核をなす極右団体・日本青年協議会出身で日本会議と現政権の直接的窓口ともいわれる衛藤晟一議員(現・消費者担当相)らと座談会したのをはじめ、野口氏が清掃活動とともにライフワークとしている日本兵の遺骨収集や靖国神社について、「正論」でも「WiLL」でも度々語っている。
あるいは、戸塚ヨットスクールの戸塚宏校長や元高校野球監督の野々村直通氏といった体罰肯定論者たちと教育について対談。「体罰は駄目だ駄目だと全否定されると、その体罰で育ってきた私は何なのか、よっぽど駄目人間なのかと無性に腹が立つ」とわけのわからない理屈で体罰を肯定し、「教育の荒廃といえば、まだ人格もできていない子供の頃から『人権』や『権利』を持ち出すのも問題」と、自民党の右派議員や安倍応援団らもよく言う“人権否定”まで口にする(「正論」2013年4月号での野々村氏との対談より)。
また、ツイッターでも、日韓関係をめぐって〈日本への度重なる反日的な言動(レーダー照射、徴用工問題、慰安婦問題、戦犯企業ステッカー、天皇陛下への韓国議長の発言)。韓国側から日本側へ関係修復する意思はないと捉えるべき。日本側も腹をくくるべき。人、物、金の流れを止める。関係修復を目指すのならば、あやふやに妥協せず毅然とすべき。〉(2019年3月30日)と国交断絶を主張し、あいちトリエンナーレ問題をめぐっても〈慰安婦像の問題もありますが日本のまた国民にとっての象徴である天皇陛下の写真を焼くという我々からは想像もできない事をアートという名のもとに税金を使って展示をするという事に多くの日本人は理解できないだろう。大村知事は日本人に向けられたヘイトスピーチを容認し後押しをしたようなものだ。〉(2019年8月6日)とネトウヨそのものの発言を繰り返している。
さらには安倍政権擁護と野党・政権批判バッシングも目立つ。2017年6月14日、〈政府は「テロ等準備罪」だと。野党や一部メディアは「共謀罪だ!」と。ネーミングに関して「ああだ、こうだ」。そんな事よりも中身。テロ対策で何よりも重要なのは情報収集。テロが行われる前に情報を掴まなければ「準備行為」の段階で防ぐ事はできない。独立した諜報機関の設立もセットにすべき〉。2019年5月19日には〈「日本死ね」あれは最低の発言です〉と投稿していた。
自民党以外でも、石原慎太郎元都知事や小池百合子都知事など極右タカ派政治家を応援してきた。それどころか、自民党以上に極右政策を掲げる幸福実現党についてすら、〈幸福実現党の政策はいつも明確。全てではないにしろ共感できる部分が多い〉(2012年12月1日ツイート)と評価したことがあるほどだ。
いずれにしても、こうした発言をあらためて振り返ると、「環境」や「人権」への意識よりも、国家主義や強者の権益保護といった自民党的価値観が先んじていることがよくわかる。
さらに、野口氏には「児童婚」の問題が象徴的なように、女性蔑視的な体質もある。前回の記事で指摘したが、野口氏はネパールで本人とのきちんとした会話もないまま「父親のOK」だけで15歳の少女と結婚するというまるで人身売買のような結婚をした挙句、その後、離婚の経緯をめぐって、インタビューで「会うたびにどんどんケバい女になっていく」などと嘯いていたのだ。ここからわかるのは、野口氏が女性を支配する対象としてしか見ていないことだ。
つまり、多くのネトウヨ連中がそうであるように、「女はおとなしくしていろ」というミソジニー丸出しの差別感情が「社会や政治に意見する若い女性」であるグレタさんへの反発をかきたて、頭の悪すぎるイチャモン攻撃に走らせたという部分があるのではないか。