しかし、きょうの国会では、田村議員が安倍首相に答弁を求めているにもかかわらず、内閣府の大塚幸寛大臣官房長を指差して自分は大臣席に座ったまま。こうした場面が何度もつづき、答弁拒否を繰り返した。そして、「後援会や支援者の招待枠を自民党内で割り振っているのでは」という質問には、田村議員が「総理じゃなきゃ答えられない! 総理がお答えください!」と食い下がった結果、安倍首相はしぶしぶ重い腰をあげたのだった。
だが、その答弁は、紙に目を落としたままそれを読み上げるだけという、無責任極まりないものだ。
「『桜を見る会』についてはですね、各界において功績・功労のあった方々を各省庁からの意見等を踏まえ、幅広く招待をしております。招待者については、内閣官房および内閣府において最終的なとりまとめをしているものと承知をしております。私は主催者として、挨拶や招待者の接遇はおこなうのでありますが、招待者のとりまとめ等には関与していないわけであります。その上で、個々の招待者については、招待されたかどうかを含めて、個人にかんする情報であるため、従来から回答を差し控えさせているものと承知をしております」
個人情報だから答えられない──。しかも、田村議員が「総理も後援会関係者を多数招待しているのではないか」と追及すると、こんなことを言い出したのだ。
「さまざまな、たとえば地元において自治会等々でですね、あるいはPTA等で役員をされている方もおられるわけでございますから、当然、そういう方々とですね、これは後援会に入っている方々が、これは重複することも当然あるわけでございまして、そういうなかで招待されているものと承知をしております」
まさに噴飯モノの答弁だろう。ようするに安倍首相は、地元の自治会・PTAの役員を「各界において功績・功労のあった代表者」だと言い張ったのだ。
こんなことを言い出したら、全国の自治会・PTA役員を「桜を見る会」に招待しなければ公平性は保たれない。それとも安倍首相は、自分や自民党議員の後援会・支持者でなければ「各界において功績・功労のあった代表者」とは認めないとでも言うのだろうか……。
しかも、招待者に何の功績があったのか、招待者の検討過程はどうなっているのかを問いただしても、安倍首相をはじめ政府から出てくる答弁は「リストや資料は終了後遅滞なく廃棄している」だの「個人情報であるため回答を差し控えている」の一点張り。税金が投入された公的イベントに持ち上がった私物化疑惑に対し、事実上の答弁拒否を繰り返したのだ。