では、一体、誰が招待状を売りさばいているのか。その内幕について、永田町関係者は記事のなかでこう語っている。
「招待状は自民党議員に一定枠与えられ、希望があれば、追加でもらうことも可能です。招待状をブローカーに売りつけ、小銭稼ぎしている議員がいることは、以前にも聞いたことがあります」
しかも、驚くのはこのあとだ。前出A氏は「ブローカーからは『桜を見る会』の招待状を買えば、もれなく自民党有力派閥のパーティー入場券も付けると言われました」と証言。それは、今年5月におこなわれる、会費2万円の〈派閥のパーティー券〉だったという。
ようするに、安倍首相と近づくことができる「桜を見る会」をダシにして、自民党議員は派閥のパーティ券までさばいている、というのである。
招待状をタダで手に入れられる自民党議員が“転売”し、さらには派閥の影響力を誇示する場でもある政治資金パーティにまで利用する──。つまり、安倍首相による私物化だけでなく、政権与党である自民党ぐるみで「桜を見る会」を食い物にしているのである。
これでよく安倍政権は「桜を見る会」を「公的行事として意義あるもの」などと言い切ったものだと呆れるが、こうした報道が出ている以上、このまま「桜を見る会」を放置容認することはできないだろう。
実際、「桜を見る会」に対しては、こんな声もあがりはじめている。それは、会計検査院が「不当事項」として認定する可能性があるのではないか、というものだ。
じつは、安倍首相の後援会員招待問題を報じた「しんぶん赤旗」が10月20日号で続報として、会計検査院の元職員らに取材。そこでは「本来の招待範囲を逸脱している」という指摘が出ているのだ。